中小企業の新卒採用が難しい理由
中小企業はなぜ大手と比較して新卒採用が難しいのでしょうか。学生の大手志向のほかに、次の2つのような理由が背景にあります。
知名度が低い
中小企業は、大手のように広く知られておらず、どのような企業であるか、学生の中でイメージしづらい傾向です。入社後のネームバリューの面でも大企業と比較すると不利なため、母集団を形成することが難しい現状にあります。
会社の魅力を伝えることが難しい
中小企業の中には、毎年大規模な新卒採用を行う大手と比較すると、新卒採用のノウハウが蓄積されていないことがあります。自社の魅力を学生にうまく伝えられず、結果内定を出しても承諾してもらえないことも少なくないでしょう。
また、中小企業は採用に大きなコストをかけられないことがほとんどです。採用広告を掲載する費用も限られているうえ、採用イベントの開催などを頻繁に実施するのが難しいことも理由に挙げられます。
新卒採用を成功させるために考えるべき手法
新卒採用は複数の採用手法を用いて実施する企業が多いです。従来の採用手法および近年登場した新しい採用手法の特徴やメリット・デメリットを知り、自社に合った採用手法を選択することが成功のポイントとなります。
従来からある採用手法
従来からある採用手法は、就活ナビサイト・人材紹介会社・リファラル採用の3つです。
就活ナビサイト
就活生の大半が利用する、企業情報収集やWebエントリーが可能なサイトで、大手企業を中心に多くの企業が参加しています。利用には数十万円の費用はかかりますが、簡単な情報入力で採用情報の掲載や応募者管理を行うことができます。
情報の閲覧は検索が中心のため、知名度の低い中小企業は学生の目に留まるようにする工夫が必要になるでしょう。
人材紹介会社
採用予定人数が少ない、あるいは良い人材があれば新卒採用を行うというスタンスの会社では、人材紹介会社の利用も有効です。
自社の希望する条件に合致する人材の紹介を受けられるため、人材のミスマッチが起こりにくい点がメリットと言えます。
費用は成功報酬制のため採用に至らなければ費用は発生しませんが、報酬は1人あたり100万円前後と高額です。
リファラル採用
リファラル採用とは、自社社員を経由して知人や友人といった人材を紹介してもらう方法です。社員からの直接紹介のため、マッチングしやすいことや入社後のミスマッチによる早期離職が少ないことなどがメリットとして挙げられます。
採用活動を自社内で完結できるため大きな費用をかけずに取り組めますが、従業員満足度が高くないと実施が難しい手法です。
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近年登場した採用手法
近年、より積極的な人材獲得のためにダイレクトリクリーティングやSNS採用、ミートアップなどの採用手法も積極的に行われるようになってきています。
ダイレクトリクルーティング
ダイレクトリクルーティングは、従来の「応募を待つ」というものとは異なり、企業側から学生にアプローチする「攻め」の採用手法です。要件を満たす人材に対してアプローチを行うため、無駄のない採用活動を実現します。
一方、採用工数が増え採用担当者に負担がかかりやすく、大量採用には向かない点には留意が必要です。
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SNS採用
SNS採用とは、採用活動に企業公式のSNSを活用する方法です。企業のブランディングをはじめ、求人情報の掲載やスカウト、コミュニケーションをSNSで発信します。
SNSは、大きな費用をかけずに強い情報拡散力が期待できることが大きなメリットです。近年では、SNSとの連携を前提とした求人関連サービスも登場しています。
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ミートアップ
ミートアップは、企業が主催する交流会や勉強会を通じて学生との接点を持ち、母集団の形成へと進めていく採用手法です。企業は潜在層への自社アピールになり、学生は社風を理解した上で応募できるというメリットがあります。
工数は必要になりますが大きな費用をかけずに実施できること、優秀な人材の獲得につながりやすいことから実施企業が増えています。
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新卒採用の成功事例5選
新卒採用に成功するには、他社が行っていないユニークな採用手法を取るのもひとつの方法です。
ここでは、近年話題になった採用成功事例を5つご紹介します。特に知名度が低く母集団形成が難しい中小企業にとっては、ユニーク採用が学生との接点を得る重要なきっかけにもなりますので、施策の参考にしてみてください。
株式会社カヤック
「面白法人」と名乗る株式会社カヤックは、アイディアを活かしたWebプロモーションやゲーム・エンタメ事業などを広く手掛ける会社です。新卒採用は通常の採用フローとは別に、常にユニークな採用方法を実施していることでも知られています。
なかでも、「経歴詐称エントリー(エイプリル採用)」2013~16年の4月1日限定で実施されたユニークな採用企画です。嘘の履歴書をツイートするだけで書類選考にエントリーできるというもので、累計3,000名以上の応募者を獲得しました。
2017年3月からはゲームの経験や情熱で選考を行う「いちゲー採用」も開始。ゲーム関係メディアから取り上げられるほど話題になっています。
チームラボ株式会社
チームラボ株式会社は、テクノロジーを活用したデジタルコンテンツ制作会社です。
新卒採用で導入している「卒制・卒論採用」は、卒業制作や卒論、過去作品のポートフォリオなどの制作物や成果で選考しています。就職活動よりも大学での卒制や卒論に力を注いだ学生を評価するもので、クリエイト集団ならではの実力を重視する採用手法と言えるでしょう。
株式会社メルカリ
フリマアプリ「メルカリ」を運営する株式会社メルカリもユニークな採用手法を取り入れていることで知られています。
一次選考にスマートフォンのスクリーンショットを提出する「スクショ採用」は、利用してるアプリからプロダクトへの関心の高さやリテラシー、トレンド対応力を判断するというユニークな選考方法です。
このほかにも、新卒を対象としたGitHubアカウントのみの書類選考を実施。現在も新卒のエントリーは就職活動向けの履歴書フォーマットを使用する必要はなく、自由に自身をアピールすることが可能となっています。
株式会社じげん
住まいや求人など、ライフサービスに関するメディアプラットフォーム事業を手掛ける株式会社じげんは、早期からコアスキルを身に付けられるよう、新卒もコース別採用を行っていることが特徴です。
また、実際の事業に関わることのできる6か月以上の長期インターンシップや事業立案を体験できるインターンシップなどを活用した、適性重視型の採用活動に取り組んでいます。
後藤ブランド株式会社
後藤ブランドは、Webマーケティングや経営コンサルティングを得意とする会社です。
業務内容の難易度から当初は新卒採用を想定していなかったそうですが、学生と直接出会うことができる「社長メシ」のサービスを活用。高いポテンシャルを持つ学生の採用に成功しています。
「社長メシ」は、社長が応募者の中から会いたい人材と出会える、採用マッチングアプリです。
オンライン・オフラインの食事会を通して自社に合う人材に直接コンタクトをすることが可能です。学生からの逆オファーのため、一般的なダイレクトリクルーティングサービスよりもマッチング精度が高く、意欲の高い学生へアプローチが叶います。
新卒採用が上手く行かないとお悩みなら、ぜひ社長メシをご活用ください。
まとめ
中小企業が新卒採用を成功させるには、さまざまな採用手法の中から自社に合ったものを選択し、自社の魅力を伝えていくことがポイントです。成功事例を参考に、学生の知名度アップにつながるユニークな手法も活用しながら、採用活動を進めていきましょう。