採用代行が違法になる場合|委託募集との関係と許認可の申請方法を紹介

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採用代行は違法になるのでしょうか?

結論からいうと、採用代行業者に委託する業務次第で行政機関への許認可が必要になる、です。

許認可が必要になる理由として、業務次第で採用代行が「委託募集」という募集形態に該当するからです。

そこで、この記事では採用代行の業務内容の紹介とともに、採用代行がどのような場合、違法になるのかについて解説していきます。

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採用代行(RPO)とは?

採用代行とは、人材の募集や選考など、採用活動に関する実務を第三者が代わりに行うサービスのことを指します。採用代行が受ける業務として代表的なのは以下の通りです。

採用代行の代表的な業務
  1. 採用計画
  2. 母集団形成(集客)
  3. 候補者対応
  4. 選考

こうした実業務の代行から上流のコンサルティングまでさまざまです。採用代行を利用する場合は、募集から応募、書類選考、面接までさまざまな業務を巻き取ってくれます。

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採用代行の費用相場は?メリット・デメリットから利用時の注意点

採用代行は違法なのか?

「採用代行」を調べていたら「採用代行 違法」と出てきてびっくりした方もいるでしょう。結論から申しますと、採用代行業者へ委託した業務が「委託募集」の場合は行政への許可を取らなければ違法になります。

そのロジックについてはこれから説明していきますが、一旦、下記の図に違法になる場合とそうでない場合についてまとめておきます。

急いでいる方はこちらを参考にして見てください。

採用代行が違法かどうかの結論
  1. 採用代行業者へ委託した業務が「委託募集」の場合は行政への許可を取らなければ違法になります。

採用代行(RPO)と委託募集の関係性

採用代行は、「委託募集」に該当する場合とそうでない場合があります。この委託募集という論点が、採用代行が違法か違法でないかを決めます。

委託募集とは、募集主である使用者が、第三者(=募集受託者)に委託して募集、選考、採用活動を行わせる業務のことを指します。

委託募集に該当する場合委託募集に該当しない場合
採用代行業者に委託する業務内容・募集
・選考
・採用活動
→上記の業務を代行する場合は委託募集に該当する
・採用要件の設定
・KPIの設定
・求人広告の作成
・スカウトメールの送信
・応募者対応
→上記のみで募集や選考は自社で実施する場合は事務代行になる

下記で詳細に解説していきます。

委託募集とは?
  1. 募集主である使用者が、第三者(=募集受託者)に委託して募集、選考、採用活動を行わせる業務のこと

採用代行が「委託募集」に該当する場合

採用代行で募集、選考、採用活動の業務を委託する場合「委託業務」に該当します。

委託募集とは、募集主である使用者が、第三者(=募集受託者)に委託して募集、選考、採用活動を行わせる業務のことを指します。

委託募集は、第三者に採用を任せる形態であるため、採用するか否かは基本的に委託先である第三者が判断します。ですので、職業紹介は斡旋をするだけですので委託募集とは異なります。

委託募集とは、労働者を雇用しようとする者が、その被用者以外の者をして労働者の募集に. 従事させる形態で行われる労働者募集をいう。

厚生労働省 『委託募集』7P

採用代行が委託募集に該当しない場合

採用代行業者に業務を委託する場合でも、募集や選考を自社で行い、採用試験問題の作成や試験実施のみを外注するなどのケースは委託募集に該当しません。

また、書類選考や面接に関しても、自社側で採用基準を設けた上で業務を委託した場合、こちらも委託募集には該当しません。

委託募集の場合は届出をしないと違法に!

また、委託募集の場合は行政機関への許認可が必ず必要になるのでご注意下さい。届出の仕方については下記で解説します。

法的な募集の3形態
  1. 委託募集:採用代行など
  2. 文章募集:求人広告など
  3. 直接募集:社内リソースで対応する場合

委託募集の許認可を取る流れ

これによると、委託募集を行うには厚生労働大臣か都道府県労働局長の許可を得なければなりません。この許可を得ずに採用代行サービスを利用すれば、違法になってしまいます。(職業安定法第36条1項・第60・施行規則37条1項3号)

法的な募集の3形態
  1. STEP①|委託募集許可等申請書を用意
  2. STEP②|提出先が厚生労働省か労働局長か確認する
  3. STEP③|提出期限の確認
  4. STEP④|許可の基準の確認

STEP①|委託募集許可等申請書を用意

許可を取るにはまず、委託募集許可等申請書を用意しましょう。委託募集許可等申請書に関しては下記に添付しているので

様 式 名ダウンロード
委託募集許可申請書・届出書(様式第3号-1)様式
(Excel)
記載例
(PDF)
記載要領
(PDF)
委託募集許可申請書・届出書(様式第3号-2)様式
(Excel)
記載例
(PDF)
委託募集許可申請書・届出書(様式第3号-3)様式
(Word)
記載例
(PDF)
 
労働者募集報告(様式第2号)様式
(Excel)
  
厚生労働省HPより

STEP②|提出先が厚生労働省か労働局長か確認する

続いて、提出先がどこかを確認しましょう。委託募集の場合、募集する人数によって提出先が変わります。

ひとつの都道府県から募集する人数が30人以上か、募集人数の総数が100人以上の場合の提出先は厚生労働大臣です。募集人数がそれより少ない場合には、都道府県労働局長に提出します。

提出先条件
厚生労働大臣ひとつの都道府県から募集する人数が30人以上か、募集人数の総数が100人以上の場合
都道府県労働局長募集人数が上記より少ない場合

STEP③|提出期限の確認

提出期限は、提出先が厚生労働省か労働局長かによって異なります。事前に確認しておきましょう。

厚生労働大臣なら募集開始月の21日前まで、都道府県労働局長へ提出する場合には募集開始月の14日前までです。

提出先提出期限
厚生労働大臣募集開始月の21日前まで
都道府県労働局長募集開始月の14日前まで

委託募集許可等申請書のほかに帳簿や関係書類などが必要になることもあります。そのため、申請を行う際にはできるだけ早めに準備しておきましょう。

STEP④|許可の基準の確認

委託募集許可等申請書を提出すると、3つの基準についてチェックされます。許可を得るためには、それらの基準に合致していなければなりません。

提出先提出期限
受託側の論点過去に職業安定法や労働関係法令に関する重大な違反をしていないかどうかがチェックされます。もし、これまでに重大な違反をしたことがある事実が確認されれば、許可を得ることはできません。
採用条件の論点法令に違反する点がないかどうか、社会保険や労働保険に加入しているかどうかなどを中心にチェックされます。法令に違反する点がなく、適正な条件で募集するなら特に問題ありません。
業務内容や採用条件が明示の論点従事する業務の内容や給料、休日などについて明確に記載されていなければ、許可を得ることはできません。
許可の基準に関して

採用代行サービスの会社を選ぶポイント

採用代行サービスを利用する際には、次のようなポイントをチェックしておきましょう。

採用代行サービスを選ぶポイント
  1. ポイント①|許可を取っている事業者であるか
  2. ポイント②|委託したい業務に対応できるのか
  3. ポイント③|自社の要望をしっかり聞いてくれるのか
  4. ポイント④|十分な実績はあるか

ポイント①|許可を取っている事業者であるか

採用代行サービスにおいては、サービスの提供会社も厚生労働大臣から許可を得ていなければなりません。利用したい業者を見つけたら、まずはきちんと許可を得ている会社なのかどうか調べておきましょう。

また、採用代行サービスを利用する際は、自社の情報を提供することになります。そのため、信頼して任せられる会社かどうか、口コミなども参考にしながらしっかり確認しておきましょう。

ポイント②|委託したい業務に対応できるのか

採用業務は多岐にわたります。採用代行サービスをしている会社が、必ずしも採用業務のすべてに対応できるとは限りません。そのため、自社で委託したい業務をカバーできるのかどうかもチェックしておく必要があります。

また、委託する業務に関して費用の見積もりを取ってもらいましょう。会社によって、料金が安いところもあれば高いところもあります。相場から大きくかけ離れたところを避ける意味でも、複数の会社の見積もりを比較することが重要です。

また、委託したい業務を明確にしておかなければなりません。そのため、これまでの採用活動の見直しや分析も行う必要があります。その上で、どの業務を委託するのか検討してみましょう。

ポイント③|自社の要望をしっかり聞いてくれるのか

採用活動のやり方は会社によって異なります。独自のルールに基づいて採用活動を行っている会社もあるでしょう。

採用代行サービスを選ぶ際には、そのような自社の事情を伝えた上で、要望に沿って業務を行ってくれるかどうか確認が重要です。コストの相談や自社ルールのヒアリングなどを行ってくれるところであれば安心でしょう。

また、委託後の進捗状況や情報の共有がスムーズに行えると、採用活動の相談や今後のスケジュール調整なども行いやすくなります。

現状を把握しやすくするために、情報共有を円滑に行える体制づくりも重要です。

会社で利用しているツールなどがあれば、委託先との連携ができるか事前に確認しておきましょう。

また情報を共有するタイミングも決めておくと、ミーティングなどでも現状を報告しやすくなります。

ポイント④|十分な実績はあるか

採用代行サービスを利用したからといって、必ずしも良い人材を採用できるとは限りません。質が良くない採用代行サービスを選んでしまうと、自社で採用活動を行ったときとあまり変わらないかもしれません。

そのため、営業年数に見合った実績があるかどうかチェックしておきましょう。

結果を出せていない採用代行サービスに任せるのはリスクが高く、あまりおすすめできません。コストをかけて委託するため、安心して任せられる実績のある会社を選びましょう。

また、採用代行サービス会社のリサーチ力や得意分野を確認しておくことも重要です。

会社によって新卒や中途、アルバイトなど、それぞれ採用領域が異なるため、自社にマッチしていなければ実績があっても成果につながらない可能性があります。

求める人材が、採用代行サービス会社の得意とする市場にいなければ採用につながりにくいです。

そのため、単純に採用実績だけではなく、採用代行サービスの特性を見極めて自社に最適な委託先を見つけましょう。

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まとめ

募集や採用の業務を第三者に代わりに行ってもらえる採用代行サービスの利用は、委託募集に該当します。行政による許可が必要で、許可なしで利用すると違法になってしまうため注意しましょう。

また、採用代行サービスを提供している会社にも、サービスの質や内容に差があります。委託したい業務に対応しているかどうか、実績は十分かどうか、よくチェックした上で利用するようにしましょう。