採用代行(RPO)とはどんなもの?
ここでは、採用代行の定義や業務範囲を解説します。
採用代行(RPO)とは
採用代行とは、採用活動にまつわる業務を外部に委託する採用方法のことです。RPO(Recruitment Process Outsourcing)ともいいます。
採用計画の立案から母集団形成、応募者管理、選考までさまざまな業務を自社の代わりに行ってくれるサービスです。
採用手法の多様化や売り手市場による人材確保の難しさから、企業における採用業務の負担はだんだん大きくなっています。
採用代行サービスを利用すれば、採用のプロに採用業務を任せることができるため、その負担が軽減されるだけでなく短期間であっても効率的に採用活動を進めることが可能です。
採用代行で委託できる業務
採用代行サービスに委託できる業務は以下のとおりです。
・採用計画の策定
・求人の作成、掲載
・スカウトメールの作成、送信
・応募者管理
・選考、面接対応
・内定者フォロー
採用代行サービスは、すべての業務を委託する形式と、コア業務(採用計画の立案や募集要件の設定、面接、採用可否の決定)は自社で行い、ノンコア業務(コア業務以外)だけを委託する形式があります。自社の状況に合わせてアウトソーシングの範囲を決めることが可能です。
採用代行(RPO)の費用相場
採用代行の費用は、委託する業務範囲や企業の料金パターンによってさまざまです。
ここでは、費用相場はどれくらいか、料金パターンにはどのようなものがあるのか紹介します。
費用相場
費用は利用する代行業者や委託する業務内容、採用する人数によって大きく異なります。
業務全体を委託する場合は月額30万円以上、業務の一部(ノンコア業務)を委託する場合は月額5〜10万円が費用の相場です。
また、新卒採用と中途採用でも費用は異なります。 新卒採用の場合は月5〜60万円、中途採用の場合は月10〜60万円程度になるでしょう。
料金パターン
採用代行サービスの料金パターンは「定額型」「成果報酬型」「従量課金型」の3パターンがあります。
定額型
定額型は、サービス内容に応じたパッケージプランと、半年、1年などと期間を決めて契約するタイプの2つがあります。
オプションを追加しない限り、プラスの料金は発生しません。
成果報酬型
成果報酬型は、採用が一人決まるごとに報酬が発生します。採用できるまで費用が発生しないため、コストを大幅に抑えられるでしょう。大量採用を希望しない企業に、特におすすめの料金体系です。
従量課金型
従量課金型は、業務内容に応じて支払う料金が変わります。例えば、対応件数や代行期間に応じての費用変動です。初期費用や面接時の追加料金が必要な企業もあります。
採用代行(RPO)のメリット
採用代行を利用するメリットは以下の3つです。
・クオリティの高い採用活動ができる
・コア業務に専念できる
・短時間で採用を成功させることができる
それぞれ詳しく紹介します。
クオリティの高い採用活動ができる
採用代行を利用すれば、採用業務を採用のプロに任せることができます。そのため、代行業者のもつ豊富な経験やノウハウを活用した、質の高い採用活動を実現することが可能です。
また、コンサルティングを受けることで、自社だけでは解決できなかった課題の改善につながることもあるでしょう。
コア業務に専念できる
採用活動は、採用計画の策定から面接対応、内定者フォローまでさまざまな工程があります。 特に、工数やコストがかかるノンコア業務を委託することで、重要な面接などのコア業務に専念できるようになるでしょう。
短期間で効率的な対応を実現することが可能になる
採用のプロに任せることで、中途採用など即戦力が欲しい場合にノウハウを蓄積する時間がなくても、短時間で効率的な対応を実現することが可能になります。
採用代行(RPO)のデメリット
採用代行にはデメリットも存在します。採用代行の利用を開始する前にデメリットも把握しておきましょう。
社内に採用ノウハウを蓄積できない
採用代行を利用すれば、プロのノウハウを利用して採用業務を進めることができます。しかし、社内に採用のノウハウを蓄積することは難しいでしょう。
採用活動の効果測定も行うことができないため、委託を解除した際は自社の力でこれまでどおり採用活動が行えない可能性もあります。
採用担当者を育成してノウハウを蓄積したいのであれば、代行業者にすべてを委託するべきではないかもしれません。
応募者との接点が少なくなる
採用代行を利用すれば、応募者とのやり取りを行うのが代行業者になるため、コミュニケーションの機会が減ってしまいます。
その結果、自社のもつ雰囲気や人柄などの要素が応募者に伝わらないこともあるでしょう。また、代行業者が窓口になるため、代行業者の印象がそのまま自社の印象として伝わってしまうこともあります。
採用代行との認識がズレるおそれがある
採用代行業者と細かくコミュニケーションを取っていないと、求める人物像とは異なる人を採用してしまうこともあります。
採用代行業者に任せきりにせず、すり合わせをしておくことが大切です。
費用がかかる
委託する業務が増えれば増えるほど、それだけ費用がかかってしまいます。また、利用料や委託料以外にも、採用人数による成果報酬や稼働した工数だけの実費も必要になるため、社内の予算とよく相談して無理のない金額で依頼しましょう。
採用代行(RPO)を利用する際の注意点
効果を最大限引き出すために、採用代行を利用する際の注意点について紹介します。
代行業者と綿密にコミュニケーションを取る
採用業務に関する認識のズレを起こさないために、代行業者とは綿密にコミュニケーションを取る必要があります。
業務を委託しているとはいえ、採用代行業者と依頼側の企業の利用者が協力しなければ、採用の成功は期待できません。
特に採用目標や現状は、その都度情報共有するようにしましょう。
代行業者に丸投げしたままにしない
代行業者に業務を丸投げしてしまうと、採用のノウハウを得ることができません。 定期的に情報のフィードバックを行い、あくまでも自社で主体的な採用活動を行うことが重要です。
自社に採用代行が合っているのか検討してから利用する
そもそも、自社が本当に採用代行という手法とマッチしているのかどうかは、必ず確認しておくべきです。月額費用は低くても工数が多く時間がかかる業務であれば、それだけ費用も膨らんでしまいます。
採用工数を減らしたり採用ノウハウを蓄積したりしたいのであれば、ダイレクトリクルーティングといったほかの採用手法の利用を検討することをおすすめします。
ダイレクトリクルーティングとは、企業が直接求職者にアプローチする採用手法のことです。
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企業はイベント情報を掲載することで、求職者からオファーが届きます。オファーの中から会いたい人材のみを選択し、オンライン・オフラインの食事会を通して求職者の人柄を知ることができるため、効率良く自社に合う人材を探すことが可能です。
求職者からオファーが届くことから、一般的なダイレクトリクルーティングよりもマッチングの精度が高く、ミスマッチの防止にもつながります。
まとめ
採用代行を利用すれば採用のプロに業務委託することができるため、採用担当者の負担が軽減され、面接などのコア業務に集中することができます。
まずは自社の採用課題を洗い出して、本当に採用代行を利用すべきか確認しましょう。