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内定者が安心できるフォローメールのポイント
内定者へのフォローメールは、事務的な連絡だけでなく一人ひとりに配慮した内容を記載することが重要です。事務的で固い文章やテンプレートのようなメールでは、フォローメールとはいえません。
まずは、フォローメールを作成するうえで、意識したいポイントを3つ紹介します。
全体のスケジュールを共有する
内定から入社までの間に、さまざまな内定者向けのイベントを企画している企業も多いのではないでしょうか。内定式をはじめ、懇談会やオフィス見学などのイベントがある場合は、フォローメールでそれぞれのスケジュールを送りましょう。
イベントスケジュールを把握できれば、内定者は今後の動きを判断しやすくなり、不安を軽減することにもつながります。
一方、内定がもらえたのにもかかわらず、企業から連絡が一切来ないと、不安に感じてしまう人が出てくるでしょう。不信感が募って内定辞退につながらないためにも、はじめのフォローメールで、スケジュール共有をしておきましょう。
内定者に寄り添った内容にする
内定から入社までの間、内定者はさまざまな思いを巡らせます。まだ社会に出て働いたことがない新卒者に関しては、とくに不安も大きいでしょう。
内定者の抱いている不安や悩みに向き合い、適切なアドバイスやフォローができる環境を整えることが大事です。そのため、フォローメールではテンプレート化された文章ではなく、個別の悩みや不安にあわせた文章を送りましょう。
例えば入社までにスキルアップしたいと考えており、取り組みに不安を抱えている内定者には、成長意欲や高い志をもっていることを大切にしたうえで、丁寧に回答することが大切です。
また、ビジネス文書のような固い文章ではなく、あえて柔らかい表現を選ぶと安心感を与えられます。
アドバイスやフォローができる体制を整える
多くの不安や悩みを持つ内定者の中には、企業に対して悩みや質問を投げかけてくることもあります。
このような場合は、返信が遅いことで不信感を抱いたり、不安が大きくなったりするのを防ぐため、できる限り迅速な対応を心がけましょう。
質問や悩みには丁寧に回答し、フォローできる体制をあらかじめ構築しておくことも大切です。
何らかの理由で、書類の提出が間に合わないというイレギュラーな相談にも、担当者間でフォローアップして対応できるようにしておきましょう。
【場面別】内定後に送るフォローメールの例文
はじめてフォローメールを送る企業は、まずは例文を参考に文章を考えてみるのがおすすめです。内定通知後のフォローメールや、それぞれのイベント前に送る例文を紹介します。
内定通知後のフォローメール
内定通知後のフォローメールでは、入社までのスケジュールを把握できる内容を記載します。テンプレート感のある文章や事務的な固い印象にならないように、親しみやすい文章を心がけましょう。
また、提出する書類があれば、期限や提出方法をわかりやすく記載します。内定者に安心してもらうことを第一に考え、以下の例文を参考に作成してみてください。
件名:入社までのスケジュールのご案内 ○○○○様 株式会社○○ 採用担当の○○でございます。 このたびは内定承諾のご連絡をありがとうございました。 早速ですが入社までのスケジュールをご案内します。 ・○月○日 (○) 内定式 ・持参していただく物:筆記用具、身分証明書 内定式では、内定式終了後に懇談会を予定しております。 ご不明点や不安なことがあればお気軽にお問い合わせください。 |
内定式前のフォローメール
内定式は、初めて社員と内定者が交流する場であるため、内定者の不安や緊張も高まる時期です。
不安を少しでも軽減するために、フォローメール内には内定式に参加するメリットも記載しましょう。
持ち物をはじめ、参加する際の服装や当日の過ごし方も記載しておくと、余計な不安を取り除けます。
件名:内定式のご案内 ○○○○様 株式会社○○ 採用担当の○○です。 さて、〇月〇日に実施される内定式について詳細が決定しましたのでご連絡しました。 内定式当日の予定 懇談会は、カジュアルな雰囲気の中で先輩社員とランチを食べながら話せる機会を設けております。業務内容や入社までの過ごし方など、不安なこと聞いておきたいことを気軽にご相談ください。 内定式に参加していただける方には、交通費を支給いたします。 |
内定者研修前のフォローメール
内定者研修前のフォローメールには、内定式参加のお礼や感想を交え、研修の詳細を記載します。
研修に関する詳細は、ほかの担当者にもメール内容をダブルチェックしてもらうなどして、漏れがないように注意しましょう。
件名:内定者研修のご案内 ○○○○様 株式会社○○ 採用担当の○○です。 さて、内定式でもお伝えした内定者研修についての詳細が決定しましたのでご連絡します。 内定研修(1回目) 内定者研修(2回目) 内定者研修に参加していただける方には、交通費を支給いたします。 そのほか、ご不明点や不安なことがあればお気軽にお問い合わせください。 |
入社式前のフォローメール
入社式の1ヶ月前には、入社式前のフォローメールを送るようにしましょう。入社式当日は、慌ただしくなりメールのチェックもできなくなる可能性が高いため、文面には担当者の電話番号を記載しておくと安心です。
件名:入社式のご案内 ○○○○様 株式会社○○ 採用担当の○○です。 さて、入社式の詳細が決定しましたのでご確認お願いいたします。 入社式 プログラム 入社式当日にお問い合わせがある場合は、以下の電話番号にお願いいたします。 それでは、入社式で〇〇様にお会いできるのを楽しみにしています。 |
フォローメールを送る際の3つの注意点
フォローメールを送る際には、いくつかの注意点があります。何気なく送ったメールで会社の印象を悪くしてしまう可能性もあるため、注意点も確認しておきましょう。
メールの頻度や送信時間を考慮する
フォローメールは、本来内定者の不安を軽減するために送るものです。しかし、メール頻度があまりに多すぎると、かえって内定者の負担になってしまいます。
だからといってフォローメールが少なすぎると、「本当に内定がもらえたのか」「入社しても問題ない会社なのか」と、不安を抱かせてしまうこともあります。
内定者にとって負担にならないように、今後のスケジュールとして内定後の連絡で大まかなスケジュールを共有しておき、不明点や不安がある場合はいつでも連絡して良い旨を伝えておきましょう。
また、メールの送信時間に関しては就業時間に合わせて送信するように決めておくと、企業・内定者双方にとって負担がありません。
「オワハラ」を連想させる内容を避ける
内定後に、入社承諾までのフォローは大切です。しかし、無理に内定の決断を迫るのは「オワハラ」に該当します。内定承諾を決断するか迷っているときは、本人の意思を尊重する姿勢をもつようにしましょう。
内定者が他社と迷っている場合でも、適切な検討期間を設けたうえで、的確に情報提供するのが大切です。
事務的またはくだけすぎた表現にしない
フォローメールでは、少しでも不安を解消し信頼関係を構築していけるように、事務的な文章は避けるほうが良いです。
宛名を書く際にも、名字だけでなく氏名を記載し、一人ひとりに呼びかける内容にするなどして、親しみを感じられる文章を意識するようにしましょう。
とはいえ、友だちと会話するようなくだけすぎた表現は、マイナスの印象を与える可能性が高いです。不快に思う人もいるため、あくまでも企業としての節度を持って文章を作成しましょう。
内定後は内定者へのフォローアップが重要
内定者は、内定をもらった安心感がありますが、それと同時に不安や緊張感も大きいため、フォローアップは重要です。
フォローメールには、内定者の「これからどうすればいいのか」という漠然とした不安を取り除くため、今後のスケジュールを細かく共有したり、過ごし方の例を示したりする役割があります。
内定者が気軽に質問や悩みを相談できる体制はもちろん、それらを解決できる体制も整えておくことが大切です。
まとめ
フォローメールは、単なる連絡事項の共有だけでなく、少しでも内定者の不安を取り除くことを目的としています。不安を抱えている内定者が、安心して入社できるフォローアップ体制を構築することで、内定辞退を減少させることが可能です。内定者の気持ちに寄り添い、丁寧なコミュニケーションを心がけましょう。