採用コストはどのように推移している?増加要因と採用コストを抑える方法

少子高齢化が進む現在、あらゆる企業で人手不足が深刻化しています。採用活動が長期化し、採用コストの圧迫が課題となっている企業も多いでしょう。 この記事では、企業の採用コストがどのように推移しているのか紹介します。また採用コストを減らすポイントも解説しているため、参考にしてみてください。

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企業の採用コストの推移

採用コストとは、企業の採用活動にかかる費用のことです。具体的には求人の掲載費や人材紹介会社の紹介手数料、採用担当者の人件費といった社内外でかかる費用を指します。

ここでは一般的な企業の採用コストがどのくらいなのか、株式会社リクルートの調査結果をもとに解説します。

採用コストは新卒・中途ともに増加している

株式会社リクルートが発表している「就職白書2020」によると、2019年度の新卒採用における採用単価は93.6万円となっています。前年度が71.5万円だったため、20万円以上も増加していることが分かります。

また、中途採用の平均採用コストは103.3万円です。前年度が83.0万円だったため、こちらも20万円程度増加していることが分かります。

出典:「就職白書2020」(株式会社リクルート)

増えたのは人材紹介、求人広告、ダイレクトリクルーティング費用

株式会社マイナビが各企業に対し、「2021年の中途採用費用は、2020年と比較していかがでしたか」というアンケートを実施したところ、「前年より増えた」と答えた企業が29.1%、「前年より減った」と答えた企業が18.6%となっています。

その中で特に増えたとされるのは、「人材紹介」「求人広告」「ダイレクトリクルーティング」「求人検索エンジン」です。中途採用費用が前年とほぼ変わらなかったと答えた企業は52.2%で、半数の企業が横ばいで推移していることが分かります。

出典:「中途採用状況調査(2022年版)」(株式会社マイナビ)

採用コストが増えた原因は「人手不足」

採用コストが増えた大きな原因は、労働人口減少による「人手不足」です。少子高齢化によって、年々労働人口は減っており、売り手市場が続いています。企業が求職者から選ばれるためには、求人広告や会社説明会、セミナーなどに採用コストをかけなければなりません。

また、社員の待遇改善や最低賃金の引き上げなど、高待遇での採用を行う企業も増えていますしかし、すべての企業が採用コストをかけられるわけではありません。

少ないコストで採用を成功させるために企業ができること

できる限り少ないコストで、優秀な人材を採用したいと考えるのは当然です。しかし、「何を改善すればよいのか分からない」という企業も多いのではないでしょうか。ここでは、少ないコストで採用を成功させるポイントをふたつ紹介します。

採用フローを見直す

採用コストを削減するために、まずは内訳を明確にすることが大切です。採用コストは、外部コストと内部コストの大きく2種類に分けられます。

【外部コスト】

・求人広告費

・人材紹介会社利用時の紹介手数料

・派遣会社のサービス利用料

・説明会、セミナー、面接などの会場利用費

・採用イベント参加費

・採用HP作成費

・採用PR動画作成費

・パンフレット作成費

・採用業務運営サポート費(アウトソーシング費)

・内定者への外部研修費 など

【内部コスト】

・採用担当者の人件費

・応募者の交通費

・応募者の宿泊費

・紹介してくれた従業員へのインセンティブ(リファラル採用時) など

内部コストには人件費も含まれるため、可視化するのが難しい側面があります。まずは外部コストから見直してみましょう。

求人広告費の見直しを例に挙げると、「求人広告媒体のユーザー層が採用ターゲットとマッチしているか」「閲覧したくなるような写真やキャッチコピーを使っているか」などです。

採用HP・採用PR動画・パンフレット作成費では、「もっと安い制作会社に依頼できないか」「自社で作成できないか」などを考えます。

採用フローにダイレクトリクルーティングを活用するのもよいでしょう。ダイレクトリクルーティングとは、企業側が積極的に候補者を探し、直接アプローチを行う採用手法のことです。

求職者と直接やり取りをするダイレクトリクルーティングは、内定率・内定承諾率が高いといわれています。手数料が必要になる人材紹介と比べて、採用コストを抑えられるのもメリットです。

低コストで優秀な人材を採用したい場合は「社長メシ」をご利用ください。社長メシは企業側と応募者の双方からアプローチできる採用マッチングアプリです。

自社のペルソナにマッチした人材へオファーが出せるほか、アプリ内でイベントを作成することで自社をPRできるといったメリットもあります。また食事会を通して面談ができるため、応募者の本質を見極めることも可能です。

候補者へのフォローを徹底する

内定取り消しや早期退職が生じると、それまでにかけたコストが無駄になってしまいます。採用コストを削減するには、内定者のフォローを徹底することも大切です。

内定者フォローの例としては、以下が挙げられます。

・定期的に連絡する

・先輩社員との交流の機会を設ける

・職場見学を実施する

・内定者懇談会を行う など

内定者を放置すると、入社意欲が低下するおそれがあります。内定者の負担にならないよう、適度に連絡したり交流の機会を設けたりしましょう。

まとめ

採用コストは、2019年度の新卒採用1人あたりの平均採用コストは93.6万円、中途採用の平均採用コストは103.3万円と推移しています。

新卒・中途採用のコストは前年度よりも増加している傾向です。採用コストを減らしたい場合は、採用フローを見直し、内定者フォローを徹底しましょう。