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採用戦略は人材確保を効率化する重要なステップ
採用戦略とは、自社の求める人材を効率的に獲得する計画を指します。一括採用する大手企業はもちろん、少数に限定して採用する中小企業においても、採用戦略が重要です。
少子高齢化により生産年齢人口が減少している昨今では、場当たり的な施策では、ミスマッチやコスト増大などの課題が発生するおそれがあります。まずは自社が求める人材像を明確にしたうえで、採用手法を見直す必要があるでしょう。
【新卒採用】採用戦略を立てるときの3つの手順
新卒採用における採用戦略は、「確認と下準備」「戦略・戦術の設計」「戦術の実行」のフェーズに分けて策定します。
1.確認と下準備
確認と下準備で重要なのは、下記の3つです。
・経営戦略、事業計画を把握する
・プロジェクトチームを立ち上げる
・3C分析をする
まずは、採用したい人物像を明確にするため、自社の中長期的な経営戦略・事業計画を確認します。
これから事業を拡大するのであれば、部署の規模に応じた採用数が求められます。一方、エンゲージメント向上による生産性アップを狙うのであれば、カルチャーに共感する人員を増やすことに焦点を当てましょう。
戦略づくりのためのプロジェクトチームを立ち上げることも重要です。プロジェクトチームが担うのは、スケジュール計画・母集団形成・説明会や面接の実施など多岐に渡ります。自社の経営戦略に明るく、現場のニーズを把握している人材を選ぶことがおすすめです。
同時に、3C分析を進めておくのも有効です。3C分析とは、下記3つの視点で自社の立ち位置を可視化する手法です。
・Customer(市場・顧客)
・Competitor(競合)
・Company(自社)
採用市場を知るために顧客(新卒学生)分析をおこない、競合の取り組みを学んでおきましょう。また、過去に自社が採用してきた新卒人材や採用戦略に関する情報を収集し、課題を探すこともポイントです。
2.戦略・戦術の設計
収集した情報・データをもとに、具体的な採用戦略を策定します。とくに、下記の要素についてはあらかじめ目標を立てておくことが重要です。
・どの部署に何名必要か
・ターゲット(採用基準)は何か
・自社の訴求ポイントは何か
・採用手法・チャネルはどうするか
・スケジュールはどうするか
ただし、部署ごとに理想の人材像や採用数が異なるケースも多いです。各部署へのヒアリングもおこない、採用基準を明確にしておきましょう。
その後、会社説明会・選考期間・内定者研修期間などを個別に区切り、逆算してスケジュールを作っていくとわかりやすいです。
3.戦術の実行
採用戦略が策定でき次第、実行に移します。会社説明会・就職イベントへの出展・採用パンフレットの印刷・採用HPづくりなど、ひとつずつスケジューリングしていきましょう。
また、求める能力を持つ人材が必ず現れるとは限らないので、採用基準を厳しくしすぎないことも重要です。特に、最低限必須の条件と、「あればなお良し」と定める希望条件を分けておけば、一致率の高い人材から優先して採用しやすくなります。
内定が決まった人材については、定期的に内定者フォローをおこないます。「本当にこの会社で良かったのか」、「会社に馴染めないのではないか」などの不安を払拭することが重要です。
内定者のなかには、他社の選考を並行して受けている人もいるでしょう。フォローを怠ると他社がより魅力的に見えてしまい、内定辞退につながるおそれがあるので注意します。
新卒の採用戦略を立てるときのポイント
ここでは、新卒の採用戦略を立てるときのポイントを解説します。採用戦略は、大まかなスケジュールや予算を決めるだけでは不十分です。
自社にマッチする人材を見つけ、長期的に働いてもらうためにも、下記の要点を押さえておきましょう。
採用戦略を全社で共有する
採用戦略は経営者や人事部のみに留めず、全社に共有するのがおすすめです。自社がどんな人材を求めているのか、入社後にどのような研修をしているのか共有しておくことで、受け入れ態勢が整います。
既存社員からの紹介を前提とする「リファラル採用」を導入する際や、現場の社員を面接担当者として起用する場合には、とくに意識しておきましょう。採用戦略を十分に理解していないと、ミスマッチが起こるおそれがあるため注意が必要です。
必要に応じてアウトソーシングを検討する
採用活動は、会社説明会の企画や実施・書類選考・面接日程の調整・内定後フォローなど多岐に渡ります。採用工数を削減するため、必要に応じてアウトソーシングを検討するのもひとつの手です。実績のあるサポート企業に依頼することで、プロの知見を活かしつつ、採用トレンドを考慮した手法も取り入れられます。
ただし、採用戦略づくりは委託先に丸任せにせず、自社のカルチャーや経営戦略を理解している人が検討に加わることが重要です。
また、応募者数や個別の連絡を一元管理できる、採用業務向けツールの導入もおすすめです。自動メッセージも活用すれば、採用にかかる工数を大幅に軽減できるでしょう。
採用戦略の実行内容と結果のデータを保管しておく
採用戦略の内容と結果のデータを保管し、施策後の見直しに活かしましょう。どのような施策で、どの程度の予算・採用人数になったのかを可視化できれば、PDCAサイクルを回しやすくなります。
また、採用した人材の成長度合いや早期離職の割合など、入社後のデータと紐づけることも効果的です。翌年度以降の採用戦略づくりに活かすことで、年度が進むごとにミスマッチを是正していくことができます。
中長期的な人材採用を心がける
新卒採用は、中長期的な人材教育を前提とします。「人手不足を一時的に解消するため」「即戦力を求めるため」の採用手法ではなく、長い目で見て経営戦略に合致する人材を採用することが重要です。入社後の育成計画も同時に作成しておくと良いでしょう。
自社に合う採用チャネルを選ぶ
効率化を求めるのであれば、自社に合う採用チャネルを選定し、効果的な母集団形成をすることもポイントです。
採用チャネルの一例は以下です。
・人材紹介や就職エージェント
・求人広告・ナビサイト
・採用イベント
・ダイレクトリクルーティング
・Web広告
・採用サイト
・オウンドメディア
・リファラル採用
・内部調達(異動・公募・FAなど)
・アルムナイ(再雇用)
採用チャネルの選定には、メリット・デメリットを考慮することが重要です。
就職サイトへの求人広告や採用イベントであれば、短期間に多くの学生に対して自社の求人をアピールできます。しかし、知名度が低く小規模な会社の場合、学生からの注目度合いが低くなり効果が薄くなるかもしれません。
ダイレクトリクルーティングであれば自社のマインドに近い学生に直接アプローチできるでしょう。ただし、「採用工数がかかる」「大量採用には向かない」などの一面もあります。同じようにオウンドメディアやリファラル採用も社内へのアプローチが必要であり、長期的な戦略になることが多いです。
自社の採用戦略を考慮しながら、総合的に評価することが大切です。デメリットを補うには、複数の採用チャネルを活用すると良いでしょう。
まとめ
新卒採用の際は、経営戦略と合致した採用戦略を立てることが重要です。採用チャネルの選択やアウトソーシングも含めて検討しておきましょう。
「社長メシ」は、採用戦略に合致する人材に対しダイレクトな採用活動ができるツールです。食事会を通した相互理解から始められます。ミスマッチも少なく、採用側・学生側どちらにとってもメリットのあるシステムとして評価されています。
「将来的に活躍する人材を採用したい」「企業理念に共感してくれる求職者と出会いたい」と考えている担当者の方は、ぜひご検討ください。