入社後のミスマッチで早期に社員が退職してしまうなんて経験がありませんか?早期退職は、1人に欠けてきた採用コストが平均で100万円近くかかっています。
ミスマッチは、感情的な面だけでなく経済的な面での損失も計り知れません。
そこで、この記事では採用ミスマッチが起こる原因とその対策方法について解説していきます。ぜひ最後までお付き合いいただければと思います。
採用におけるミスマッチとは
採用ミスマッチとは、転職者や新卒が求めているものと、企業が人材に求めているものにズレが生じている状態のことです。採用ミスマッチを招くきっかけになるのが下記の要素が挙げられます。
- 雇用条件
- 仕事内容
- 社風や企業文化
- スキルや能力
雇用条件の例を挙げるなら、「残業なしと聞いていたのに、実際は残業が毎日のように生じる」なども採用ミスマッチといえます。ほかにも給料システムや昇給条件などが入社前と後で異なれば、トラブルの原因となりかねません。

一見すると細かなトラブルでも、人材と企業のズレを解消できなければ、離職の可能性は高くなります。
採用のミスマッチが企業におよぼす影響
採用のミスマッチは、単なる人材の入れ替え以上に企業の運営に大きな影響を与えるといわれています。では、具体的にどのような影響をおよぼすのでしょうか。
ここでは、採用のミスマッチが企業におよぼす主な影響を3つ紹介します。
採用・研修コストが増加
新卒社員の3年以内離職率は増加傾向にあり、入社後すぐに辞めるケースも少なくありません。採用や研修にかけた費用や時間は、企業にとって大きな投資です。そのため、早期退職が起きると、せっかく投入したコストを十分に回収できず、企業にとって大きな負担となります。
特に、求人広告費や面接対応の工数、研修プログラムの実施費用は大きな損失です。こうした状況から、企業は投下した経営資源を有効に活用できないという課題に直面しており、採用のミスマッチは経営全体に影響を与える問題となっています。
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職場のモチベーション低下と業務効率低下
社員が早期退職すると、残された社員の業務負担が増加します。特定の業務を引き継ぐ必要が生じるため、日常業務の効率が下がり、その結果モチベーション低下と業務効率低下を招くのです。中でも、モチベーションの維持やチームワークの確保が難航すると、職場全体の安定性悪化にもつながりかねません。
企業イメージ低下につながる
現代は、SNSや口コミによって企業の評判が瞬時に広まる時代です。そのため、採用ミスマッチで社員が早期退職すると「社員がすぐ辞める会社」という情報が社外に伝わり、ブランドイメージの低下や今後の採用活動への悪影響が懸念されます。企業の信頼性が損なわれると優秀な人材の応募意欲も低下するため、定着率向上に向けた採用の精度向上を目指しましょう。

採用ミスマッチが起きる原因は?
事前に募集要項を公表しているにもかかわらず、採用ミスマッチはどの業界でも生じています。
採用ミスマッチの要因は基本的にコミュニケーション不足から起こります。それが起こる選考フェーズとして下記の3点が挙げられます。
- 選考前の情報公開
- 選考フロー中での相互理解が不十分
- 入社後のフォローが足りない

選考前|求職者が事前に知ることができる情報が少ない
採用ミスマッチを起こす最大の原因が、情報不足です。求職者は、面接前の段階では会社のホームページや求人票など限られた場所からしか情報を得ることができません。
この段階で、公開情報に抜けもれがあることで、ミスマッチが起こってしまう可能性があります。
企業側が開示している情報が少なかったり不正確だったりすれば、応募者は自分に合う会社かどうか判断できないまま表面的な情報のみを頼りに応募することとなります。
選考前|採用基準が定まっていない
採用基準が曖昧なまま選考を進めると、求職者と企業との認識のズレが生まれやすくなります。評価軸が明確でない場合、面接官ごとに重視するポイントが異なり、一貫した判断ができません。その結果、スキルや志向性が職務に合わない人材を採用してしまう可能性が高まるのです。
特に、企業の求める人物像や成果の基準を言語化しておかないと、応募者は自分がどの程度活躍できるか把握できず、入社後にギャップを感じやすくなります。そのため、選考前に採用基準を明確にして共有することが、ミスマッチを防ぐ重要な一歩なのです。
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面接中|相互理解が不十分
条件面以外の部分に違和感を覚えるケースも多く、面接に採用ミスマッチの原因が隠れていることもあります。面接は条件や能力の確認に加えて、応募者の性格や適性を見極める場です。
しかし、採用ミスマッチが生じやすい企業の場合、下記のような事態が起こりがちです。
- 面接官が面接の目的を理解していない
- 相互理解の場として十分に活用できていない
特に、採用担当者が採用におけるターゲットや人材要件の理解が浅い場合ですと、求職者との認識のずれが起こりやすくなります。
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面接中|面接方法やスキルが属人化している
面接方法や評価スキルが面接官ごとに異なる場合、同じ応募者でも評価結果にばらつきが生じ、採用ミスマッチの原因となります。特定の面接官の経験や判断に依存してしまうと、標準化された評価が行われず、能力や適性を正確に把握できなくなってしまうのです。
さらに、面接官間で評価基準が共有されていないと、応募者へのフィードバックや選考判断が一貫せず、結果として入社後に職務や職場環境とのギャップが生まれやすくなります。面接の方法やスキルを標準化し、複数人で確認しながら選考を行うことが、ミスマッチ防止の鍵となります。
入社後|入社後のフォローが足りない
入社後のフォローが適切ではない場合や、不十分な場合も、早期離職やトラブルを招くことがあります。
たとえば社会人経験のない新入社員へのフォローが後回しになっていると、本人は新しい環境下で不安やストレスを抱えながら過さなければなりません。
近年は新入社員の定着率を向上させるために、メンター制度を取り入れるなど、積極的なフォローを行っている企業も増えています。
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反対に、入社後のフォローに消極的な企業の場合、新入社員から早々に見切りを付けられる(早期離職される)可能性は高くなります。

採用ミスマッチを起こさないための対策
採用ミスマッチはどんなに人事担当者が優秀であっても起こってしまいます。そこで、選考前に少しでも起こさないために対策することが肝要です。
多くの企業で取り入れやすい採用ミスマッチ対策として、次の4つが挙げられます。
- 採用基準の明確化
- 適性テストの実施
- 長期インターンの実施
- 採用手法の見直し
- 構造化面接法を実施
- リファレンスチェックを実施
- 現場社員との交流で職場の雰囲気を体感
それぞれ詳細に解説して行きます。
採用基準の明確化
採用基準を明確に定めることは、採用ミスマッチを防ぐ最も基本的な対策です。この時、求めるスキルや経験だけでなく、人物像や価値観、業務への適性まで言語化しておくのがポイントです。そうすれば、面接官間で評価のばらつきを防げます。
評価基準が統一されることで、応募者が職務や職場に合うかどうかを適切に判断でき、入社後のギャップを減らせるでしょう。また、採用基準を事前に整理しておくと、選考プロセスでの質問内容や評価方法も統一できるため、面接の精度向上にもつながります。
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適性テストを実施する
適性テストは、SPIやクレペリン検査などです。応募者のストレス耐性や組織適正、コミュニケーション能力といった、目に見えない部分が見極められます。
新卒採用はもちろん、中途採用にも適性テストの実施がおすすめです。即戦力を求める中途採用者は能力や経歴が重視されがちですが、自社と相性の良い優秀な人材に長く働いてもらうためには、仕事に対する考え方や価値観も重視しましょう。
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長期インターンを活用する
入社後のギャップを軽減させる対策として有効な方法が、インターンです。より企業文化や雰囲気を理解してもらえるよう、長期スパンで取り入れることでカルチャーフィットをさせることができます。
入社する前に実際の業務を体験することで、仕事内容のミスマッチを防ぎ、社内の雰囲気や社員の働き方を知ったうえで採用できるので非常にミスマッチが起こりにくいです。
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採用手法の見直し
従来の求人媒体や紹介だけでなく、リファラル採用やダイレクトリクルーティングなど多様な手法を取り入れることで、応募者の質の確保とミスマッチ防止の両立が可能です。
さらに、従来型の応募方法だけでは得られない情報を手に入れられるうえ、潜在的に自社に合う人材にアプローチできる点もメリットといえるでしょう。また、採用手法を見直し、ターゲット層にあわせた選考プロセスを設計することで、応募者と職場の相性を事前に把握しやすくなるため、入社後の定着率向上にもつながります。
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リファラル採用を取り入れる
従来の採用方法に加えて、リファラル採用などほかの手法を取り入れることも、採用ミスマッチのリスク軽減につながります。リファラル採用とは、既存社員に人材を紹介してもらい、採用することです。
自社の雰囲気や働き方をよく理解している社員の目で、マッチしそうな人材を紹介してもらうことにより、性格や能力面のギャップも抑えられます。紹介してくれた社員には、違法とならない範囲で一定のリターンを用意すれば、積極的に人材を紹介してもらえるでしょう。
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構造化面接法を導入する
採用ミスマッチは、同じ人材でも面接官ごとに評価が異なるような環境でも起こり得ます。面接官による差を軽減できる方法が、構造化面接法の導入です。
構造化面接法とは、あらかじめ評価の基準や質問項目を決めておき、面接官はマニュアルに沿って選考を行います。判断基準が統一されるため、どの面接官が担当しても応募者の能力や自社との相性を客観的に評価することが可能です。
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リファレンスチェックを実施する
リファレンスチェックとは、求職者の職務経験や人柄について知るために実施する調査のことです。そのため、リファレンスチェックを活用すると、応募者のスキルや人柄、前職での働き方を客観的に把握できます。
面接だけではわかりにくい長所や課題を確認できるため、採用後のギャップを減らせるでしょう。また、応募者の実務能力や職場適応力を事前に把握できるため、採用判断の精度を高められます。特に、早期退職のリスクが高い職種やポジションに有効です。
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現場社員との交流で職場の雰囲気を体感
内定前後に現場社員との交流の場を設けることで、求職者は会社の社風や文化、職場環境を直接体感できます。実際の業務やチームの雰囲気を肌で感じることで、条件面だけではわからない適性や働きやすさを判断しやすくなるのです。
また、社員との交流は、応募者の不安を解消するだけでなく、入社後のギャップを減らす効果も期待できます。このように、職場の雰囲気を体感することは、応募者の入社意欲を高め、定着率向上にもつながるのです。
新卒のミスマッチを防ぐために「入社後」できること
新卒のミスマッチを防ぎ、離職率を下げるためには入社後の動きも重要です。職務理解や職場環境への適応を支援する施策を行うことで、社員が安心して働き続けられる環境を作り、企業にとっても投資回収の効率化につなげられます。
ここでは、入社後にできる対策を4つ紹介します。
入社直後のオリエンテーションで定着を促す
入社後すぐに業務を開始させるのではなく、会社の全体像やビジョン、組織構成、従業員の情報を伝えるオリエンテーションや研修を実施しましょう。会社組織におけるオリエンテーションとは、新入社員が適応できるように教育・指導することを目的として、新たに何かを始める前に実施する基礎トレーニングのことです。
業務開始前に会社の文化やルールを理解させることで、新入社員は自分の役割や期待される成果を把握しやすくなり、職場への適応がスムーズになります。これにより、早期離職のリスクを減らし、定着率向上を図れます。
メンター制度で相談できる環境を整備
次に、メンター制度を設けて相談できる環境を整備しましょう。入社後に先輩社員を相談役として配置するメンター制度は、新入社員に安心感を与えます。
さらに、業務上の疑問や職場での悩みを気軽に相談できる環境は、孤立感の軽減や心理的な不安の解消にもつながります。また、メンターが適切にフォローすることで、社員は自信を持って業務に取り組めるようになるでしょう。
個人目標を明確にしてやりがいを提供
従業員一人ひとりに具体的な目標を設定し、定期的に進捗を確認する仕組みを整えることで、達成感や成長実感を提供できます。目標が明確になると、業務の優先順位や取り組む意義を理解しやすくなり、やりがいを持ちながら業務に取り組めるのも嬉しいポイントです。
また、目標達成に向けたサポートやフィードバックを行うことで、社員のモチベーション維持や職場への定着促進にも役立ちます。
異動希望を反映してモチベーション維持
従業員の異動希望を考慮することで、やりがいを持ちながら業務に取り組める環境を整えられます。希望や適性に応じて配置すると、社員が自身のキャリアを実感できる機会を増やせるため、結果として業務への意欲向上にもつながるのです。
また、定期的なヒアリングや希望反映の仕組みを取り入れることで、職務への満足度を向上させ、早期退職の防止や組織全体の活力維持にも役立ちます。
採用ミスマッチを防ぐなら「社長メシ」での採用活動がおすすめ!

採用ミスマッチを減らすには、応募者と経営者が直接対話できる場を設けることが有効です。
そこでおすすめなのが「社長メシ」です。「社長メシ」は、社長や経営陣が学生や求職者と食事をしながら会社の価値観やビジョンを共有できるダイレクトリクルーティングサービスです。採用コストを抑えつつ、理念共感型の人材をしっかり採れると、近年注目が高まっています。条件やスキルだけでなく、企業文化や社風、働き方の感覚を直接知ることで、入社後のギャップを大幅に減らせます。
さらに、社長メシは学生や社会人からオファーをもらえる点が魅力です。これにより、企業側は本当に共感してくれる挑戦者人材との出会いを実現でき、人材の定着率も高まります。つまり「社長メシ」は、採用ミスマッチを防ぐ最適な手段なのです。短期間での定着率向上や、ミスマッチ防止を狙う企業はぜひ利用してみましょう。

新卒採用のミスマッチに関するよくある質問
新卒採用では、入社後にミスマッチが発生するケースが少なくありません。企業文化や仕事内容、求職者の志向性とのズレが起きると、早期離職やモチベーション低下を招きます。
ここでは、よくある質問とその回答を紹介します。ぜひ採用活動に役立ててください。
入社後すぐに辞める「早期離職」を防ぐにはどうすればよいですか?
入社直後のオリエンテーションや研修で会社の全体像やビジョン、組織構成を伝え、帰属意識を高めましょう。業務開始前に職場の文化や期待される役割を理解させることで、社員は職務や環境への適応がスムーズになり、早期離職のリスクを減らせます。
この時、定期的なフォローもあわせて行うとより効果を発揮するでしょう。
新卒社員がモチベーションを保ちやすくするにはどうすればよいですか?
従業員一人ひとりに具体的な目標を設定し、進捗を定期的に確認する仕組みを整えることが重要です。目標の達成や成長の実感を得られる環境を提供することで、業務への意欲を維持しやすくなります。
また、目標に応じたフィードバックやサポートを行うことで、やりがいを感じながら職務に取り組める環境が整い、定着率向上にもつながります。
ミスマッチが経営に与える影響にはどのようなものがありますか?
採用ミスマッチによる早期離職は、採用や研修にかけたコストの損失につながります。さらに、残った社員の業務負担が増えることで、職場の士気や生産性が低下するリスクもあるため注意が必要です。また、SNSや口コミで「社員がすぐ辞める会社」と認識されると企業ブランドや評判の低下も懸念され、今後の採用活動に悪影響を与えることも覚えておきましょう
まとめ
採用ミスマッチは、多くの企業で起こり得る問題です。一方で、事前対策を行えば、採用ミスマッチやその後の早期離職リスクを軽減することができます。
まずは採用ミスマッチが起こる原因を理解し、自社に不足している予防策はないか確認してみましょう。場合によっては段階を踏んだ従来の採用方法よりも、ダイレクトリクルーティングのほうが人材と企業の間に強いエンゲージメントを生み出すこともあります。
ダイレクトリクルーティングで自社に合う人材採用で採用ミスマッチを防ぎたい方は、ぜひ「社長メシ」をご検討ください。



