TikTokの企業アカウントから採用につながる可能性がある
TikTokは、15秒から1分ほどの短い動画を作成、投稿、閲覧できる短尺動画プラットフォームです。個人の趣味やダンスの動画、ビジネスなど、さまざまな動画がシェアされています。
若者を中心に世界中で流行しているTikTokを、採用手段として取り入れている企業も増えています。株式会社Suneightの調査によると、23卒学生の81%がTikTokで企業の動画を見た経験があるそうです。
そのうち80.2%が「企業に興味をもったことがある」と回答しています。また企業の動画を見た66.2%が、実際にエントリーした経験があるそうです。
三陽工業株式会社では、オンライン説明会参加者の約7割が同社のTikTok動画を見ていたとのことです。そして動画を見たのがきっかけで応募した人もいるため、採用手段として有効であることがわかります。
参考:
Z世代の就活生の80.2%が、「TikTok」がきっかけで企業に興味を持った経験あり そのうち66.2%は、実際にエントリーも|株式会社Suneightのプレスリリース
採用にTikTokを活用するメリット・デメリット
TikTokを採用活動に利用するメリット、デメリットを解説します。
メリット
採用活動でTikTokを利用することには、「採用コストを抑えられる」「拡散力が高い」「会社の雰囲気が伝わりやすい」といったメリットがあります。
効率的にサービスを利用するためにも、ここで紹介する3つのメリットをおさえておきましょう。
採用コストを減らせる
一般的に、求人媒体を利用するとコストがかかります。しかし、TikTokは動画の撮影から編集、投稿にいたるまで、無料で利用できるサービスです。採用コストを抑えられるのは、大きなメリットといえるでしょう。
また、スマートフォンで簡単に動画の撮影や編集ができるため、手軽に始められるのも魅力です。しかし、企画から投稿までの人員が必要な点には注意しましょう。
拡散力が高いため多くの人に届く
TikTokは若者を中心に多くの人が利用しています。インターネットやSNSで一躍話題になることを「バズる」といいますが、一度バズると多くのユーザーに認知してもらえるのが魅力です。
TikTokはフォロワーが少なくても動画を閲覧してもらえる仕組みになっているため、自社の業界について知らない人にも認知してもらえる可能性があります。またハッシュタグをつけて投稿すれば、企業が欲しい人物像に向けて訴求が可能です。
会社の雰囲気が伝わる
求人広告やWebサイトで「アットホームな社風」と記載してあっても、実際の会社の雰囲気は、なかなかイメージしにくいものです。しかし、TikTokでは動画の中で社員の人柄や雰囲気が伝えられます。
また、流行の音楽と絡めながら動画を作成すれば、視聴者にインパクトを与えられるでしょう。実際に働くイメージが伝えられれば、採用にもつながりやすくなります。
デメリット
TikTokには魅力的なメリットもたくさんありますが、デメリットも少なからずあります。利用する際はデメリットを考慮したうえで、事前に対策を立てることが大切です。ここでは、TikTokを利用するデメリットを3つ紹介します。
炎上のリスクがある
TikTokは拡散力の強いツールである分、一度炎上すると悪いイメージを多くの人にもたれてしまう点には注意が必要です。実際に炎上した企業も存在しています。
注目を浴びるために奇をてらった投稿を狙うケースもあるかと思いますが、どのような反応があるのかをある程度予想して投稿しましょう。
また、万が一炎上してしまった際には、どのように対処するのか運用ルールを定めておくことをおすすめします。投稿する人選や投稿者の教育も重要です。
エントリーにつながるとは限らない
FaceBookやLinkedinなどは本名を公開している人が多くいますが、TikTokは匿名性が高く、本名を公開していない人も多くいます。
そのため、誰が見ているのか視聴者の詳細な情報は分かりません。TikTokで企業の情報を発信できても、学生の個人情報は収集できない点に注意が必要です。
また企業に興味をもってもらえても、エントリーにつながらない可能性も十分にあります。あくまでも企業の魅力を広く伝え、興味をもってもらう目的として利用するのが良いでしょう。
企業理念を伝えづらい
TikTokはビジネス色強めの固い投稿に需要があまりありません。そのため仕事の大変さや企業理念などを伝えた動画は再生数が伸びにくい点に注意しましょう。
実際にTikTokで投稿されている企業の動画は、社員同士の楽しそうな雰囲気や、和気あいあいとしている動画に偏ってしまいがちです。
しかし、企業の楽しそうなところばかり伝えると、入社後のギャップが生じやすく、ミスマッチにつながる可能性も大いにあります。企業理念や仕事については、コーポレートサイトできちんと説明するなど、うまく使い分けをすると良いでしょう。
TikTokを採用に取り入れている企業事例
実際にTikTokが採用にどのような影響を与えるのか気になる人も多いでしょう。ここでは、TikTokを採用に取り入れている企業の活用事例を3つ紹介します。
大京警備保障株式会社
大京警備保障株式会社は、警備と流行のテーマを絡めた投稿で人気を呼び、社員の平均年齢50代にも関わらず、260万人(2022年7月時点)以上のフォロワーを獲得しています。実際に12名からの応募で1名を採用した実績もあります。
また大京警備保障株式会社は中途採用しか行っていませんが、新卒採用の問い合わせもあるため、TikTokによる採用活動が成功しているといえるでしょう。アカウントを育てると自社の資産になるのは間違いありません。
株式会社BEEM
株式会社BEEMはInstagram運用やSNSスクール運営を行っている企業です。お昼休みや帰宅風景などの様子を撮影し、TikTokでトレンドになっている音楽やエフェクトを組み合わせた質の高い動画が人気を呼んでいます。
2022年7月時点でフォロワーは479万人と、多くの人から企業を認知してもらえているといえるでしょう。実際に求人への応募者数増加にもつながっているようです。
アロージャパン株式会社
アロージャパン株式会社は「ざっきーとゆってぃ」というアカウントを運営し、2022年7月時点でのフォロワー65万人を獲得しています。
動画の内容は、同じ会社で働く先輩のざっきーさんと後輩のゆってぃさんの掛け合いです。先輩後輩のアットホームな雰囲気が伝わる動画で話題を呼んでいます。
実際に新卒採用でも多くのエントリーがあり、TikTokの運用は成功といえるでしょう。このようにユーザーにとって魅力的な動画を作れば、採用に良い影響があることがわかります。
ビジョンや想いを伝えるなら「社長メシ」
TikTokやその他のSNSを使って、ある程度認知を獲得した上で、社長から企業のビジョンや風土をしっかり伝えたい、仕事内容や仕事の面白さについて伝えたい、といった場合には、「社長メシ」を是非ご活用ください。
社長メシは求職者と企業が双方向にオファーを送り合える採用マッチングアプリです。
求職者との交流に特化しているほか、企業のビジョンや企業風土も伝えられるため、マッチング精度の高い効率的な採用活動が行えます。
企業側からのオファーで食事会やオンラインでの交流も深められるため、応募者の本質を知ることができ、入社後のミスマッチを防げるのも魅力です。
まとめ
TikTokを利用した採用活動はコストを抑えられ、運用次第では多くの人に企業を認知してもらえるなどのメリットがあります。しかし、炎上のリスクがある点や、必ずしもエントリーにつながるわけではない点には注意しておきましょう。