母集団形成とは?増やす方法や中途や新卒でのやり方について解説。

母集団形成(集める)

こうした背景で、新卒、中途にかかわらず採用活動の中で母集団形成をすることの重要性が日に日に高まっています。

その背景には、日本での少子高齢化の進行にともなう労働者不足がありますます。これは企業が労働者のパイの奪い合いになっていることを指します。

そこでこの記事では、母集団形成の意味や、メリット、母集団を増やすやり方について解説していきます。また、新卒中途でも母集団形成において違いがあるのでその点も解説していきます。

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母集団形成とは?

母集団形成(Talent Pool Formation)とは、採用フローにおいて、適格な候補者(応募者)をあらかじめ十分な人数を集め、その中から最適な人材を選出するための手法やプロセスを指します。

母集団形成の目的は、採用プロセスにおいて適切な候補者を効率的、かつ効果的採用するためです。

そのためには、十分な数と質の候補者プールを確保する必要があります。なぜなら、母集団が増えれば応募者数が増え、比例して採用者数が増えるからです、

母集団形成とは?
  • 採用プロセスにおいて、適格な候補者(応募者)をあらかじめ十分な人数を集め、その中から最適な人材を選出するための手法やプロセス

母集団形成のメリット

ここでは、母集団を形成するメリットを解説します。それは下記の2点を得ることができるからです。

母集団を増やすことで、採用者の「質」と「量」の両方においてメリットを享受することができます。それがなぜなのか以下で詳細に解説していきます。

採用者数の増加を図れる

母集団形成をすると、シンプルに採用者数を増やすことができます。なぜなら、母集団が増えれば応募者数が増え、比例して採用者数が増えるからです。

即戦力人材の雇用など難易度の高い採用活動をしたいときや、まとまった人数を新卒で一括採用したいときには、特に母集団形成が欠かせません。

質の高い人材の確保が可能になる

母集団形成は採用確度の高い候補者集めにもつながります。応募者数や面接対象者数が増加するため、質の高い人材にアプローチできる可能性が高まります。

母集団形成

母集団形成のための5ステップ

母集団を形成する際には、5つのステップを踏む必要があります。以下の図にまとめてあるので、時間がない方はそちらを見てください。

以下で詳細に解説していきます。

STEP①|採用ターゲットと人材要件の明確化

採用ターゲットと人材要件を明確にすることは、母集団形成の最初のステップです。

この段階では、企業は求める人材の特性やスキルセットが何かを社内のニーズから逆算して特定します。その際に、人材要件やペルソナの設定をすることが重要です。

この特定作業は、採用する職種ごとに異なりますが、企業のビジョンや目標との整合性を確保することが重要です。明確な人材要件を設定することで、効果的な母集団形成を図ることができます。

STEP②|採用戦略に基づきマーケティング方針の決定

採用戦略に基づく集客手法の決定では、ターゲットとなる人材対してどのようにマーケティングするかが決定されます。

端的にいうと、「自社のどの部分をターゲットに対して訴求していくのか」という点につきます。自社のカルチャーを反映しつつ、候補者に魅力を感じてもらうような手法を選択することが重要です。

STEP③|採用戦略に基づき集客チャネルの決定

集客チャネルの決定は、ターゲット人材に適切にリーチするために不可欠です。

このステップでは、SNS、求人サイト、業界団体、キャリアフェア、大学のキャリアセンターなど、さまざまなチャネルが検討されます。

チャネルの選択は、求める人材の特性や採用戦略に基づいて行われます。ターゲット人材が頻繁に利用すると想定されるチャネルを優先的に選択します。

STEP④|採用計画に基づき実行スケジュールの決定

ここまで決定したら、実行スケジュールの決定へと移ります。

採用活動全体のスケジュールが計画され、各施策の(ex. 求人広告の公開、キャリアイベントの参加、選考プロセスなど)の開始と終了の日時が決定されます。

スケジュール策定の段階で、担当者は企業の採用ニーズ、政治状況、業界動向みながら柔軟に調整する必要があります。

STEP⑤|実行と改善の実施

最終ステップは、実行と改善の実施です。この段階では、計画された採用活動が実施され、進行状況が定期的に評価されます。

データとフィードバックを基に、採用プロセスの改善点を特定し、必要に応じて戦略を調整します。この継続的な評価と改善は、採用効果を最大化し、将来の採用活動においても成功を確保するために不可欠です。

新卒と中途での母集団形成の違い

新卒採用と中途採用で、母集団形成の違いがあります。主に下記の4点にまとめられます

  • 求職者の特性
  • 採用チャネル
  • アピールポイント
  • 関係構築方法
特性採用チャネルアピールポイント関係構築
新卒実務経験が少ないが、新しい知識や技術に柔軟で学習意欲が高い・大学のキャリアセンター
・キャンパスリクルーティング
・インターンシップ
・企業説明会
・ジョブフェア
企業文化
キャリア成長の機会
研修プログラム
・学生との早期からの接点
・インターンシップを通じた長期関係の構築
中途特定の業務経験やスキルセットを持ち、即戦力として期待される・オンライン求人サイト
・ソーシャルメディア
・ヘッドハンティング
・リファラルプログラム
・業界団体やイベント
・仕事の内容
・キャリアアップの機会
・給与や福利厚生
・即戦力としての採用
・実務経験や専門知識の重視

それぞれ詳細に解説していきます。

新卒の場合

新卒採用では、主に大学や専門学校などの教育機関を卒業予定の学生が対象です。これらの候補者は、実務経験が少ないが、新しい知識や技術に対して柔軟で学習意欲が高い傾向があります。

学生との接点を早い段階で持ち、インターンシップなどを通じて長期的な関係を築くことが有効です。

大学のキャリアセンターやキャンパスリクルーティング、インターンシッププログラム、企業説明会、合同企業説明会(ジョブフェア)などが一般的なチャネルです。

中途の場合

中途採用では、特定の業務経験やスキルセットを持つ既存の労働力が対象です。これらの候補者は、即戦力として期待されることが多く、特定の職種や業界での経験が重視されます。

中途採用は即戦力の確保が目的であるため、選考プロセスは実務経験や専門知識に重点を置いたものになります。

オンライン求人サイト、ソーシャルメディア(LinkedInなど)、ヘッドハンティング、リファラルプログラム、業界団体やネットワーキングイベントが主なチャネルです。

母集団を増やす方法

自社サイトやオウンドメディア

自社の公式HPやSNSアカウントなどのオウンドメディアに採用に関連する情報を掲載して、母集団形成する方法です。最もローコストで運用できる手法で、フォーマットにとらわれず自由なアプローチが叶います。

ただし、閲覧ユーザーの多い大企業や有名企業に向いている方法です。中小企業やベンチャーでは閲覧される可能性が低いことを理解しておきましょう。

会社説明会の実施

また、会社説明会の実施も企業にマッチした母集団形成にとって重要です。企業説明会は、自社の伝えたいことをダイレクトに伝えることができます。

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求人広告の活用

求人誌・転職サイト・ハローワークなどに求人広告を掲載する方法です。限られた期間で多くの人にアプローチできるので、一括で大量採用したいときに向いています。

掲載期間に応じて料金が発生するので、長期的な採用活動には向いていません。閲覧ユーザー層をリサーチしておかないと、ミスマッチのある母集団形成になりやすいことにも注意すべきです。

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求人広告の費用相場は?種類別の相場や求人広告のメリットを解説

人材紹介会社の利用

転職エージェント・派遣会社など人材紹介会社を利用する方法です。理想像に近い人を優先して紹介してもらえるので採用確度が高く、最小限の工数で効果的な採用が叶います。採用活動に十分な時間を割けないときや、人事専門の部署がない中小企業などに向いています。

一方、想定年収の30~35%程度の成功報酬がかかるので大量採用に向かない点や、依頼する人材紹介会社によって母集団の質が大幅に異なる点に注意が必要です。

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人材紹介会社を利用する際の手数料はいくら?利用時の注意点も解説

ダイレクトリクルーティングの導入

ダイレクトリクルーティングとは、自社の理想に近い人材に直接アプローチする方法です。「スカウト」「ヘッドハンティング」と呼ばれることもあり、「攻めの採用活動」ができることが特徴です。

ミートアップイベントなどの求職者が気軽に参加できる催しから母集団を形成したり、既存社員の友人・知人に声をかけるリファラル採用をしたり、さまざまな手法が存在します。採用確度の高い母集団形成を実現できるので、ハイスキルな人材をピンポイントかつ少数採用したいときにおすすめです。

ダイレクトリクルーティングとは?
  • 自社の理想に近い人材に直接アプローチする方法
  • 「攻めの採用活動」ができることが特徴

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まとめ

採用活動の成否を分けるのは母集団の質であり、自社の理想に近い候補者を集めることが重要です。ミスマッチのない採用をスピーディーかつ的確に叶える手法でもあるので、今回の内容を参考にしてみてください。

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