採用意欲は回復傾向にある?2023年卒の採用動向
2022年は、新型コロナウイルスの強い影響を受けて景気が悪化したこともあり、新卒採用を減らすという意向の企業が増えました。
しかし、2023年卒の新卒採用では、一転して採用を増やしたい企業が増えているようです。
それでは、具体的に2023年卒の採用動向について解説します。
2023卒の採用意欲は回復傾向にある
株式会社リクルートの調査により、2023年卒の新卒採用数が「増える」と答えた企業が、前年度よりも増加傾向にあることが分かりました。
2023年卒と2022年卒の新卒採用の見通しを比較(大学生、大学院生)
|
増える |
変わらない |
減る |
分からない |
採用しない |
増える-減る |
2023年卒 |
10.9 |
49.4 |
3.9 |
24.1 |
11.7 |
+7 |
2022年卒 |
7.7 |
45.0 |
11.6 |
26.1 |
9.5 |
-3.9 |
※「ワークス採用見通し調査(新卒:2023年卒)」を元に表を作成。
2012年〜2021年までの10年間は「増える」が「減る」よりも上回る数値となっていましたが、2022年卒ではそれが反転する結果となっています。
新型コロナウイルスによる景気の悪化は、多くの企業の採用意欲にも大きな影響を与えました。
しかし、2023年には「増える」が増加して「減る」が減少していることから、再び採用意欲の回復が見られます。
これは、コロナ禍での経営や採用活動に、企業側が少しずつ適応してきたことが要因として考えられるでしょう。
また、業界別でも同じように、ほとんどすべての業種で「増える」が「減る」よりも上回る結果となりました。
従業員の規模別に見た調査としても、すべての企業で同様の結果となっています。
その中でも、特に社員が1000人を超える大企業が採用に意欲的で、平均して18%が「増える」と答え、平均3.7%の「減る」よりも大きく上回る結果です。
2023年卒の新卒採用は、業界や企業規模に関わらず、採用意欲が回復傾向になっているといえます。
出典:「ワークス採用見通し調査(新卒:2023年卒)」(株式会社リクルート)
Webと対面での選考がさらに加速化
コロナ禍が続く現状では、感染症リスクの対策としても、従来の対面による採用活動だけでは不十分となりました。
そこで、近年はオンラインによる説明会や面接を実施する企業が増えています。
感染症対策の一環ではあるものの、オンラインを活用した採用活動はメリットも大きいです。
例えば、現地に行く必要がないため、学生の移動費など就職活動にかかる費用負担を軽減できることや、従来の面接よりも気軽に行えることから応募者を獲得しやすいなどが挙げられます。
とはいえ、選考から採用まですべてをオンライン化する企業は多くありません。
特に面接選考に関しては、最終面接だけは対面スタイルで行うなど、オンラインと併用して実施される傾向にあります。
Webによる説明会や選考は利便性と安全性が高いものの、現地でしか分からない雰囲気や相性などもあるため、すべてオンラインで済ませるには不安を覚える学生も多いです。
また、企業側としても、ミスマッチによる早期離職を避けるためにも、最終的な判断は対面で行いたいという意向が強いでしょう。
それでも、多くの企業がオンライン化を進めており、コロナ禍での採用活動対策を実施していることから、2023年卒の採用は昨年よりも意欲的に行われる見込みです。
2023年卒の就職活動の状況は?
それでは、2023年卒の学生は実際にどのような就職活動を行っているのか、具体的な状況について解説します。
インターンシップへの参加率は高い水準にある
2023年卒の学生がインターンシップに参加している割合は82.6%あり、平均参加数は5社と高い水準です。
前年度が84.5%だったため若干の減少は見られるものの、ここ数年は高い参加率が維持されています。
特に近年はコロナ禍の対策として、インターンシップもオンライン化が進められており、WEB形式で参加した経験のある学生が多いです。
2023年卒では「WEB形式のみ」か「WEB形式が多い」と答えた学生の割合が79.5%で、「対面形式のみ」の参加はわずか4.5%しかありません。
企業側としても、オンラインでのインターンシップを準備する重要性が高いといえます。
ちなみに、学生がインターンシップで企業に良い印象を抱いた理由としては、WEB形式と対面形式に共通して「業界、企業、職種に対する理解が深まったから」が最も多いです。
そのため、インターンシップでは自社の業界や仕事については、学生に分かりやすく伝えられる工夫が必要になります。
充実したインターンシップを行うことで、学生からも好印象を抱かれやすく、採用活動としても効果的といえるでしょう。
出典:「2023年卒 大学生 広報活動開始前の活動調査」(株式会社マイナビ)
コロナ禍の影響で自己PRしづらい傾向に
コロナ禍は、学生のさまざまな体験の減少にも大きな影響を与えています。
ほとんどの授業がオンライン化されたり、サークルや課外活動が制限されたりしたことで、以前のような大学生活が送れていない可能性が高いです。
自己PRとして使えるエピソードが少なく、面接でよくある「学生時代に力を入れたことは何か」(いわゆる「ガクチカ」)という質問に対して答えにくい学生が増えました。
実際に面接で答えづらい質問があったと感じる学生が大半で、特に学業に関する質問に困惑するケースが多いようです。
企業側としても、新卒採用ではコロナ禍で大学生活を送った学生に配慮する必要があるかもしれません。
面接の質問も従来の形式を見直して、現状に即した内容に変更することも大切です。
2023卒の新卒採用を成功させるためのポイント
新卒採用の成功率を高めるためには、学生に会社の理解を深めてもらう取り組みや面接の質問内容などさまざまな工夫が必要です。
ここからは、2023年卒の学生を採用するためのポイントについて紹介します。
会社と接触する機会を多く設ける
オンラインやオフラインを問わず、会社の事業や社風などを学生に理解してもらえるように工夫することが重要です。
インターンシップだけではなく、座談会を開くなど学生が会社と接点を持つ機会を多く設けるようにしましょう。
ただし、感染症対策も大切ですので、イベントはなるべく小規模にしたりオンライン化したりするなど、可能な限りの配慮も必要です。
特にWEB形式のイベントは、学生も参加しやすく多くの注目を集められるかもしれません。
ほかにも、カジュアル面談で本格的な面接ではなく、気楽に参加できるスタイルの面談の場を設けることで、企業をアピールすることもできます。
カジュアル面談について詳しく知りたい方は、こちらの記事をご覧ください。
「カジュアル面談で新卒にアプローチしよう!メリットや方法を解説」
学生の人柄がわかるような質問をする
前述したように、コロナ禍の影響により「ガクチカ」に対する回答ができない学生が一定数います。
そのため、大学生活にスポットを当てすぎず、学生の人柄を引き出すような質問を準備しておくことが大切です。
例えば、大学時代に限定せずに、これまで頑張ってきたことを聞くことで、学生も伝えやすくなるかもしれません。
ほかにも、現状だからこそできる質問として「コロナ禍での気づき」や「コロナ禍において学業で工夫したこと」など、さまざまな経験や活動が制限されたことを前提に尋ねることで、学生としても表現しやすくなるでしょう。
こまめに連絡を取る
応募や問い合わせ、選考中などのレスポンスは遅くなるほどに学生の辞退につながる可能性が高くなります。
そのため、連絡はできる限り早めに返信するように心がけましょう。また、内定が決まったとしても油断してはいけません。
入社までに交流が少ない場合、不安感や孤立感を与えることにもなるため、内定後のフォローを丁寧に行うことが必要です。
オンラインで社員やほかの内定者と交流する機会を設けたり、メールやLINEを活用して悩みの相談に乗ったりと、接する機会を増やす工夫をしましょう。
特に近年は、コロナ禍で対面して接する機会が少ないため、オンラインを活用した交流を設ける企業が多いです。
2023年の新卒採用を成功させるなら社長メシ!
新卒の就職活動では、SNSや就職情報サイトなどWEBを活用して情報収集を行うことが多いです。同様にアプリを活用した就職活動も増えております。 これから優秀な新卒を採用していくには、採用活動そのものをDX化(デジタルトランスフォーメーション)させ、選考フローを変革させていく必要があるでしょう。
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また、コロナ禍で「学生はやっぱりオフラインで会わないと見極められない」という要望が増えたことからも、社長メシではオフラインで一度にマッチしたたくさんの学生と会えるイベント機能もついています。
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まとめ
2023年の新卒採用の動向としては、コロナ禍が続いているものの、2022年と比べて業種や規模を問わず多くの企業が人材獲得に意欲的です。
オンラインでの説明会や選考などの取り組みが進められ、学生としても参加しやすい環境が整備されてきました。
特にインターンシップもWEB形式が人気となっているため、企業側も準備を進めることで採用活動を有利に進められるでしょう。
新卒採用の成功率を上げるには、学生と交流する場を増やすことが大切です。ぜひ社長メシも活用して、学生の心をつかめるよう採用活動に取り組んでいきましょう。