面接時のアイスブレイクは、候補者の緊張をほぐし本音での会話や回答を引き出す効果があります。
それが結果として、ミスマッチの防止や入社後に活躍する人材の採用につながります。
本記事では、面接時のアイスブレイクの効果や話題例を網羅的に解説いたします。
面接におけるアイスブレイクとは
アイスブレイクとは、候補者の緊張をほぐすために面接の冒頭で行われるリラックスした会話ややり取りのことです。質疑応答の前に雑談や世間話をはさむことで候補者と面接官との距離を縮められ、候補者が話しやすい雰囲気をつくり、面接を円滑に進める効果があります。アイスブレイクを取り入れることで候補者の自然な魅力を引き出し、より正確な人材採用につながります。
面接でのアイスブレイクによる効果
アイスブレイクを取り入れることで、応募者がリラックスして話しやすくなり、スムーズに面接を進めることが可能です。職歴や志望動機などの形式的な質問だけでは把握できない候補者の本来の人柄やコミュニケーション力を把握できます。また、適切なアイスブレイクは、企業の雰囲気や文化などを候補者に伝える機会に適しているのです。カジュアルな会話を通じて会社の価値観や働き方を自然に示せます。
最近では新型コロナウイルスの影響でオンライン面接する企業も多くなり、よりアイスブレイクの重要性が増しています。画面越しでは細かな表情やしぐさが伝わりにくいため、候補者の素の表情を引き出すアイスブレイクは円滑なコミュニケーションを図るために欠かせないやり取りです。候補者がどのような人物か知れるアイスブレイクは採用ミスマッチを防ぐ効果があるのです。
▼関連記事
採用ミスマッチをなくすには?ミスマッチが起きる原因や防ぐ方法!
候補者の緊張をほぐし、本音が引き出しやすくなる
人生を左右するといっても過言ではない面接で緊張している中、いきなり職歴や応募動機などの本題から進めると候補者がさらに緊張してしまいます。アイスブレイクをはさむことで候補者の緊張がとけ、本音が引き出しやすくなり、本来の人柄を伺えるのです。共通の話題や軽い会話はその後のコミュニケーションをスムーズにしてくれます。また、「〇〇さん」と名前で呼ぶことや、適度な相槌や笑顔も交えて候補者が話しやすい空気感を伝えるとより効果的です。
企業イメージの向上効果
適切なアイスブレイクを行うことで、自社のイメージを相手に良い印象として与えられます。
面接官の印象は企業そのもののイメージにつながります。そのため、面接官が悪い印象を与えると、候補者は企業に対してマイナスのイメージを抱く可能性があるでしょう。一方で、良いアイスブレイクを行えば、候補者にとって面接全体がより良い印象として記憶に残ります。その面接官と企業との出会いが特別なものとして記憶に残り、入社後のモチベーションにつながる可能性があるのです。候補者へ好印象を残すことは自社にとってもプラスに働きます。
面接でのアイスブレイクを成功させるコツ
アイスブレイクは候補者の緊張をほぐし自然なコミュニケーションをはかり、面接を円滑に進めるための重要なステップです。堅苦しさをなくし、落ち着いた口調で話すことで候補者へ安心感を与えることが大切です。ここでは、効果的なアイスブレイクを成功させるコツを紹介します。
始めに選考参加のお礼を伝える
面接の冒頭で「本日はお越しいただきありがとうございます。」と選考へ参加した感謝を伝えましょう。始めに感謝を伝えることは候補者との距離を縮める第一歩です。丁寧な挨拶は、企業の誠実さや候補者への敬意を伝え、面接官に対する第一印象を良くする効果があります。その後の面接をスムーズに進行できるでしょう。
面接官側から自己開示する
候補者へ質問を一方的に投げかけるだけでなく、面接官が自ら簡単な自己紹介や最近の出来事を積極的に話すことで、候補者が心を開きやすい状況をつくれます。「最近は天候が不安定ですね」といった軽い話題や、「○○が趣味なんですね。私も最近○○にハマっていて」といった趣味や最近の出来事について触れるなど、カジュアルなやり取りが効果的です。
候補者が自由に話せるようなテーマで話す
「はい」「いいえ」だけで答えられる単調な質問は盛り上がりにくく避けるべきです。候補者の出身地や趣味、最近話題のニュースなどといった話しやすいテーマを選ぶと良いでしょう。出身地については「○○さんの出身地は美味しい食べ物が多いと聞きますが、おすすめはありますか?」といった質問は、候補者が答えやすく自然な対話を生み出します。話題のニュースは政治などのテーマは避け、「今年のオリンピック、日本は金メダルが多いですね。何か見た競技はありますか?」といった気軽に話せる内容がおすすめです。
アイスブレイクに時間を割きすぎない
アイスブレイクが効果的だからといって、時間をかけすぎるのは逆効果です。
面接の時間が30分なら2〜3分程度、面接が60分なら3〜6分程度が目安です。選考の本題にスムーズに移行できるように、候補者の緊張具合に合わせて適宜時間配分を調整するよう心がけましょう。候補者の表情を注意深く観察し、話題に興味があるかどうか観察します。反応が薄い場合は話題を切り替えるなどの柔軟性も必要です。短時間でも効果的にアイスブレイクするには、あらかじめトークテーマを決めておきましょう。
今日から使えるアイスブレイクの話題例
面接といった緊張感の高い状況で候補者の緊張や不安を取り払う役割を果たすのがアイスブレイクです。候補者が答えやすく、緊張を和らげるような話題を振るのが理想です。実際にアイスブレイクで使える具体的な話題の例を紹介します。
季節や天気に関する話題
季節や天気の話題は誰でも気軽に話せる定番のテーマです。「今日は暖かくて過ごしやすいですね。」といった天気の話題は自然に会話を始められます。また、季節のイベントに関連する「最近は桜が見頃ですね。どこか行かれましたか?」といった質問や好きな季節の話題は、コミュニケーションが苦手な候補者も答えやすいでしょう。天候の話題は当たり障りがないため、深まりすぎず、短時間での面接にも向いています。
趣味や特技に関する話題
趣味や特技について聞くことで、候補者の人柄や価値観を自然に知れます。「何か趣味や最近ハマっていることはありますか?」と質問するのも良いでしょう。履歴書に趣味や特技について記載があれば「○○が特技とありますが、いつから始められたのですか?」と興味を示せば候補者は履歴書をしっかり見てくれていると面接官に良い印象をもちます。
また、面接官自らの趣味や特技を共有すると、会話がさらに弾み候補者と距離を縮められるでしょう。
休日の過ごし方に関する話題
「お休みの日はどのように過ごされていますか?」といった休日の過ごし方に関する質問もアイスブレイクには適切です。趣味と似ていますが、候補者の日常生活のスタイルが垣間見えるため、候補者の素の表情を引き出して親近感を生むきっかけの一つになるでしょう。カジュアルなトピックでありつつ、個性を引き出せる効果があります。共通の話題があれば親近感をもってもらいやすくなり候補者の緊張がほぐれるでしょう。
学生時代に関する話題
特に新卒候補者に効果的なのは学生時代の話題です。「学生時代に打ち込んだことはありますか?」や「部活動は何をされていましたか?」といった質問は、過去のエピソードから自然な流れで自己開示が進み、リラックスした空気をつくれます。
オンライン面接でのアイスブレイクのポイント
新型コロナウイルスの影響によりオンライン面接する企業が増えました。しかし、慣れないオンライン面接に緊張や不安が高まりやすいため、アイスブレイクの重要性が高まっています。ここでは、画面越しでも円滑なコミュニケーションが取れるオンライン面接でのアイスブレイクのポイントを紹介します。
▼関連記事
オンライン面接で企業の採用担当がやるべきこととは?成功のポイントを解説
最初に接続状況を確認する
オンライン面接では、冒頭に「音声や映像の調子はいかがですか。」と接続状況を確認することや、「音声が途切れてしまったら、遠慮なく聞き直してくださいね」と事前にトラブル時の対応を伝えておくと、候補者に安心感を与えられます。これにより通信状態の不安を軽減し、面接の本題に集中しやすい環境を整えられます。
オンライン面接で盛り上がりやすい話題で話す
オンラインならではの話題として、バーチャル背景や飼っているペットの話題など候補者の環境を活かしたテーマが盛り上がりやすいでしょう。候補者の部屋に映り込んだトロフィーや賞状などがあれば、そこから話題を広げることも有効です。画面越しでも伝わる温かみを感じられるような話題を選びましょう。
リアクションや表情をオーバー気味にする
対面とは違いオンライン面接では表情や声のトーンが伝わりにくいため、少しオーバーなリアクションが必要です。意識的に頷きや笑顔を増やすことや、話を聞いていることを表現し、候補者が話しやすい雰囲気をつくりましょう。「なるほど」や「それは面白いですね」といったポジティブなリアクションもオンライン面接では効果的です。
面接時アイスブレイクで避けるべき話題
アイスブレイクは初対面同士の緊張を和らげ、面接をスムーズに進めるために有効ですが、避けるべき話題があります。以下の話題は候補者が不快に感じ、企業に不信感を抱いてしまうので避けるべきです。
個人の思想に関する話題
政治や宗教、社会問題など、個人の思想に関わる話題は避けましょう。特定の宗教や信仰に関する言及は候補者を不快にさせ、差別的な印象を与えます。これらは本来自由な考えであり、意見の相違が生じやすくデリケートなテーマのため話題にしてはいけません。面接に不必要な緊張や対立を生みやすいため配慮が必要です。
プライベートすぎる話題
家族構成や結婚に関する質問、健康状態など、個人のプライバシーに深く踏み込む話題は控えましょう。外見に言及することもハラスメントと捉えられます。障害や病歴などに関する話題も採用判断に不当な影響を与える可能性があるため避けるべきです。良かれと思っていても聞いてはいけない質問をした場合は、法律違反となる可能性があります。罰則を課せられるだけでなく、会社のイメージがダウンし、社会的信頼を失うリスクもあるため、面接官は細心の注意が必要です。
合否に関係しそうな話題
「今日の手応えはどうですか?」や「他にはどんな企業を受けていますか?」といった合否に関係しそうな質問は、候補者にプレッシャーを与えるだけでなく、警戒させる可能性があります。合否に直接影響しないような雑談や軽い質問などの安心感のある話題を選びましょう。
まとめ:アイスブレイクで候補者の本音を引き出そう
アイスブレイクは、候補者の緊張を和らげ、本音を語りやすくするための重要なコミュニケーションの手法です。適切な話題やポイントを意識することでリラックスした空気をつくり出し、候補者の魅力や本音を引き出すことで面接全体の質を向上させます。アイスブレイクは天候や趣味、政治でない最近のニュースなどの話題が望ましいでしょう。プライバシーの侵害になる避けるべき話題にも注意しながら、候補者との信頼関係を構築し、双方にとって有意義な時間を過ごせるようアイスブレイクを上手く面接に取り入れましょう。
さらに、面接の質をより高めたい場合は、候補者がリラックスして自然な会話を楽しめる環境づくりが重要です。その際に役立つのが「社長メシ」です。「社長メシ」は、企業と求職者がカジュアルな雰囲気で食事を通じて交流できる場を提供するサービスです。食事というリラックスしたシチュエーションの中で候補者の本音や価値観をより深く理解し、相互のマッチングを図ることが可能です。食事の場での自然な会話が、新たな発見や気づきを生むきっかけとなるでしょう。