新卒の定着率はどのくらい?離職率からチェックしよう!
厚生労働省の発表によると、平成30年3月に卒業した新卒のうち、31.2%が3年以内に離職しています。逆に言えば、入社から3年目以降も定着してくれる新卒は、全体の7割弱です。また、事業所の規模が小さいほど離職率が高い傾向にあるようです。
加えて業界によっても、新卒の離職率は大きく異なります。最も大卒の離職率が高いのは宿泊業や飲食サービス業で、続いて生活関連サービスや娯楽業、教育や学習支援業の離職率が高いです。全体的に見ると、コロナ下で業績が低迷した業種の離職率が高いと推測されます。
出典:「新規学卒就職者の離職状況を公表します(令和3年10月22日)」(厚生労働省)
新卒で入社した社員が定着しない理由とは
新卒で入社した社員が3年以内に離職する理由として、以下の5つが挙げられます。
・給料が少ない
・仕事内容が期待していたものと違った
・人間関係が合わない
・労働条件に不満がある
・適正な評価をしてもらえない
それぞれ詳しく解説します。
▼以下の記事もご参考ください。
【なぜ?】早期離職が起きる理由とは?企業のデメリットや対策を解説
給料が少ない
人事評価や昇給のタイミングで、給与の少なさに不満を持ったことが離職につながるケースです。雇用時の給与が低かったり、業務内容に見合った給与をもらえなかったりした場合も離職につながります。
また、社会保険料の控除額を理由に、さらに高い給与を求めて離職・転職する新卒も少なくありません。新卒社員には入社の際、給与から控除される項目や控除の理由、昇給によって給与が上がる仕組みをわかりやすく説明しておく必要があります。
仕事内容が期待していたものと違った
新卒が入社前にイメージしていた仕事内容が、実際の業務に大きなギャップを感じて離職するケースです。やりたい仕事ができなかったり仕事にやりがいを見出せなかったりすると、モチベーションの低下を招きます。
入社時に大きな意欲を持っている新卒社員ほど、仕事内容を理由に離職することが多いです。新卒だからと誰にでもできるような仕事を任せていると、能力を発揮する機会を与えられないと感じて不満を溜めてしまうことがあります。
人間関係が合わない
会社では組織として協力する必要があるため、上司や先輩社員とのコミュニケーションは非常に大切です。しかし周囲とコミュニケーションがうまく取れない場合、人間関係によるストレスを溜めこんでしまいます。
また、社員と交流できる機会が少なかったり、相談できる相手を見つけられなかったりすれば、職場で孤立感を抱いて退職してしまうこともあります。
労働条件に不満がある
労働条件や休日、休暇の条件が合わないと、離職の原因になります。また、仕事が忙しく休暇を取りにくい場合や休日出勤、夜勤がある場合も、労働環境にストレスを感じやすく離職につながりやすいです。
また、仕事のノルマや成果が過大でも、ストレスやプレッシャーを感じやすくなります。限度を超えてしまえばその時点で退職することも考えられるため、ノルマや成果は適切な設定をすることが大切です。
適正な評価をしてもらえない
日常的な頑張りが評価されない、成果が給与やボーナス、昇進につながらないと、新卒社員は企業に不満を抱きやすいです。もし今より高い評価をしてくれる企業が声をかけてきたら、そちらに流れてしまう可能性があります。
また、人事評価の基準が整備されていないと、新卒社員はモチベーションを保ちにくいです。なぜその評価になったか、どれくらいの報酬を用意できるかを適切に説明すると、社員は企業に必要とされていると感じやすくなります。
新卒の定着率を向上させるには
新卒の定着率を上げるには、以下のような対策を取るのがおすすめです。
・働きやすい環境を整える
・評価制度を整備する
・メンター制度を取り入れる
・責任のある仕事を任せる
・ミスマッチが起きないように採用活動を見直す
それぞれの対策について解説していきます。
働きやすい環境を整える
労働の不満を解消するには、企業側が労働環境を整備し、社員が働きやすくなる工夫が必要です。例えば、過剰な業務負担や残業をなくしたり、テレワークや短時間勤務制度などを導入したりして、仕事とプライベートの両立をサポートするのが良いでしょう。
また、給与面や休暇の取りやすさも重要です。企業の給与水準や休暇取得率が業界で適正な水準になっているかを定期的に見直し、公平な評価を下しましょう。
そのほか、育児や介護などのライフプランに合わせた働き方ができるよう、福利厚生を充実させるのも大切です。
評価制度を整備する
個人の能力や成果を公正に評価し、それに伴って給与や立場が決まるような評価制度を構築することも大事です。社員が納得できる評価制度があれば、評価不足を理由に優秀な人材が流出することを防げます。
近年では年功序列制度を廃止し、若手でも能力や成果次第で適切な報酬を受け取れる企業が増えています。加えて、自発的に行動できる社員を育てられるように評価の理由をフィードバックし、企業の求める行動を伝える試みも必要です。
メンター制度を取り入れる
メンター制度とは、新卒社員一人ひとりに、年代の近い先輩社員が相談役として付く制度です。年齢が近いためコミュニケーションがとりやすく、上司より気軽に悩みを相談できるため、新卒社員が社内で孤立する事態を防げます。
メンター役になる社員は、傾聴力やコミュニケーションに優れた人物が適しています。ただし新卒社員のフォローをメンターに任せきりだとメンターの負担が増えるため、定期的にメンターともコミュニケーションを取る機会を設けましょう。
責任のある仕事を任せる
仕事へのモチベーションが下がった新卒社員に対しては、一度やりがいや責任を感じられる仕事を任せてみましょう。裁量のある仕事を任せることで責任感やモチベーションが高まり、結果的に本人の成長やキャリアアップにつながることもあります。
仕事を任せた後も、定期的なフォローが必要です。こまめに報告や相談ができる機会を作って話を聞いたり、アドバイスしたりしてサポートしましょう。社員の成長を促すだけでなく、上司や先輩を信頼してもらうきっかけを作れます。
ミスマッチが起きないように採用活動を見直す
新卒社員の入社前には、就業条件や仕事内容についてしっかり説明しましょう。企業の良い点だけでなく悪い点も開示することで、新卒社員が働き始めてから起こるミスマッチを未然に防げます。
また、企業を知ってもらうために、学生のインターンを受け入れるのもおすすめです。インターンを通して職場環境や社内の雰囲気を知ってもらうことで、学生側も自分に合う会社かどうか見極められます。
そのほかにも、食事会やイベントを通して学生と話せる機会を持つことも、ミスマッチの防止策として挙げられます。
採用活動で学生とのコミュニケーションの機会を設けるなら、「社長メシ」が最適です。「社長メシ」は企業と学生をつなぐ採用マッチングアプリで、企業側がイベント情報を掲載することで、学生からオファーが届きます。
アプリ内のインタビューや動画を見て、自社に関心を持った学生からオファーが送られてくるので、マッチングの精度が非常に高いです。
新卒採用だけでなく、インターンシップの採用もできます。インターンシップとして働きながら会社への理解を深めてもらえるため、入社後のミスマッチの防止にも役立ちます。オファーの中から会いたい人材だけに会えるので、効率良く採用活動を進めることが可能です。
新卒の定着率を改善するなら、ぜひ「社長メシ」をご活用ください。
まとめ
近年は、新卒社員の3割が3年以内に会社を辞めています。どの企業にとっても新卒社員の離職は大きな損害となるため、新卒社員を企業に定着させる工夫が必要です。
新卒社員の定着率を高めるには、新卒社員にメンターをつけたり、仕事にモチベーションを感じられるよう評価制度を整えたりすることが大切です。ミスマッチを避けるために、学生や新卒社員とのコミュニケーションを重ねていきましょう。