【企業向け・問題例あり】webテストを選考フローに入れるべき?メリットや注意点

採用 webテスト 選考手法(選考する)

就職活動において、企業が採用フローの一環として導入する「webテスト」が注目を集めています。パソコンやスマートフォンを使用し、応募者が自宅から試験を受けられる仕組みで、効率性や公平性の面で多くのメリットがあります。企業側は採用コスト削減やデータ活用を進められる一方、応募者も場所を問わず挑戦できる点が特徴です。本記事では、webテストの概要や採用するメリット、導入方法、おすすめのテスト種類などについて解説します。

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webテストとは

webテストとは、パソコンやスマートフォンなどを使用して選考フロー内の試験を受けることを指し、応募者が自宅からweb上で試験を受けるためそのように呼ばれています。webテストには企業によく利用されるSPIや玉手箱の他にもTALやCommpassなど、多くのサービスが存在します。採用フローを効率的に進めるためにwebテストを導入する企業も増えているようです。

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採用でwebテストを行うメリット

webテストを行うことは企業側、応募者側どちらから見てもメリットが多くあります。

採用コストの削減

まず、企業側の採用コスト削減が一例として挙げられます。国内の定期採用を大手企業や人気の企業が行う場合、一度に数百、数千人もの応募が集まり、全員一気に選考を進めるとなると試験の採点、問題の作成、会場の準備などに充てる費用も時間も膨大になってしまうでしょう。さらに、面接も行うとなると余計にコストがかかります。そこで効率的かつ合理的に合格者を絞り込むためにwebテストを行い採用にかかるコストの削減を計っているのです。

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公平で標準化された評価が可能

地域や時間に関係なく実施可能なため、より多くの応募者がチャンスを得られます。遠方から選考のためにきたはいいが、疲れや慣れない環境へのプレッシャーで本領を発揮できない、といった事態を防ぐことも可能です。

データの蓄積活用が容易になる

また、Web上でテストを行う性質上、データ収集や分析も簡単にできるようになります。分析することによって入社後に高い成績を上げている優秀な社員に共通する特徴を見つけ出すことや、その逆に自社とはマッチしなさそうな候補者を絞ることも可能です。

採用で使われるwebテストの種類 

webテストにはいくつかの種類があり、企業側が応募者に対して求めていることや企業の業種によってどのテストを導入するかが変わってきます。最適なテストを選択することで、最適な情報を得られます。

能力テスト

能力テスト(別称:適性検査)では、その名の通り応募者の能力、具体的には言語分野と非言語分野における能力を調べます。例えば、SPIでは以下のような問題が出されます。

  •  文章序列

【問題】

AからEの文を[1]から[5]に入れて文の意味が通るようにしたとき、[2]に当てはまるものを選びなさい。

国会は憲法により[1][2][3][4][5]

【選択肢】

A 「二院制」がとられているのは、

B その二つとは「衆議院」と「参議院」です。

C 国会は二つの議会からなる「二院制」がとられていて、

D さまざまな意見を取り入れて慎重に話し合うという目的のためです。

E 「唯一の立法機関」と定められています。

【解答・解説】

答え:C

  •  語彙

【問題】

下線部の言葉と、意味が合致するものを1つ選びなさい。

相手の隠そうとしている意図が分かる

A. つつぬけ

B. 露見

C. あけすけ

D. みえすいた

E. つまびらか

【解答・解説】

答え:D

上記のように言語分野では、出題された文章を正確に読み取り最適な答えを選択できるか、話の趣旨を読み取れるかなど社会人としてコミュニケーションをとり、要点を理解する能力を測定できます。また、例に挙げた他にも穴埋め、長文読解、熟語理解、語句の用法など多くの出題ジャンルがあり、ジャンルを複数組み合わせることでテストの信頼性を高めているのです。一方、非言語分野では下記のような問題が出されます。

  •  割合

【問題】

ある劇団の人数は、昨年より40%減って今年は480人になった。男女別では、女性が25%、男性は62.5%昨年より減った。今年の女性の人数を求めよ。ただし必要に応じて、小数点第一位以下を四捨五入すること。

【選択肢】

  • 360人
  • 400人
  • 420人
  • 480人

【解答・解説】

答え:A

  • 集合

【問題】

大学に所属する留学生300人に調査を行ったところ、英語が話せる人が200人、日本語が話せる人が120人いた。この中から、どちらかの言語しか話せない人の人数を調べたい。 英語と日本語両方とも話せる人が50人いたとすると、英語と日本語のうちどちらか片方だけ話せる人は何人か。

【選択肢】

A 170

B 200

C 220

D 270

E 320

【解答・解説】

C.220

非言語分野では四則演算、図表、料金計算、仕事算など数学的な分野を用いて応募者の数的処理能力や論理的思考力を分析します。SPIは上記のように中学から高校レベルの比較的簡単な問題を時間内にたくさん解く形式です。SPIを例に挙げたため短い文章での出題が多いですが、GABのように長文読解を目的としたテストを提供している会社もあるため、自社が優先的に求めている能力は何かをしっかり関係各所と相談し、採用するテストを決める必要があります。

性格診断

性格診断では応募者の人柄を測定します。具体的には日頃の行動や思考パターンなどを多方面から質問し、把握していきます。自分をよく見せようと虚偽の回答をしても辻褄が合わなくなるように作られており、信頼度の高いものが多いようです。

スキルテスト

企業によっては業種や職種特有のスキルをチェックすることを目的にスキルテストを行う場合もあります。特にIT関連ではスキルの他にも情報リテラシーの面も測定される場合が増えています。

採用webテストの選び方

webテストを採用する企業が増加した影響もあり、それに伴ってプラットフォームも増えています。選択肢が多いため、自社の目的や予算に合っているかを確認し選定する必要があります。選定するには優先順位をつけていくことがポイントです。

①.採用ペルソナの設定

まずやるべきことは採用ペルソナの設定です。ペルソナとは、自社が求める人物像のことであり、スキルや経験の他にもパーソナリティまで詳細に設定した理想の人物像を指します。ペルソナを決めることによって相対的な評価をすることが可能となり、自社とマッチした人材を採用できる可能性が上がります。

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②.利用目的の明確化

次に必要なのは利用目的の明確化です。職務の遂行に必要なスキルを持っていると証明するツールとして用いる、採用プロセスの効率化など何のために利用するのかを明確にしていきます。

③.webテストの種類と特徴を比較

webテストと一口に言っても、能力テストや性格診断などいくつかの種類があります。例えば、能力試験の場合、非言語分野にするのか言語分野にするのか、あるいは両方にするのかなど選択肢が多く迷ってしまいます。そのような時には、各テストの特徴や測定できる項目を比較し、自社の採用方針に照らし合わせることで、最適なテストが見えてくるでしょう。

④.コストと運用しやすさを確認

今後の自社を担う人材を採用するため、ある程度のコストはかける必要があるでしょう。しかし、webで実施してもコストが実地試験と大差がないようであれば意味がありません。設定した予算内で安定して運用できるかを見極めることが大切です。

⑤.関係各所と協議し、決定

採用するテストが決まったら、後は関係各所に確認を取り問題がないか精査していきます。大きな会社になるほど現場と管理職の求める人材に歪が生まれるため、ここでしっかりとズレがないか確認をしておきましょう。認識にズレが生じていると、候補者の中から採用しても現場で力を発揮できない、ミスマッチになる可能性があります。歪を極力小さくするためにも、現場の管理職だけではなく、一般社員にもどのような人物を求めているかアンケートを取ってみるのも良いかもしれません。

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おすすめのwebテスト

webテストは種類が多く選定するだけでも時間がかかってしまいます。自社の採用したい人物を明確にしたうえで、数ある試験の中から最もマッチするものを選ぶ必要がありますが、ここでは代表的な3つのテストを紹介します。

SPI3

最も有名な検査はSPI3だといわれています。最も歴史の古いwebテストといわれており、少し以前のデータになりますが2018年度には13,200社が導入、200万人以上が受験しています。SPIは適性検査(能力検査)と性格検査の2つで構成されており、高卒用、大卒用、転職者用などさまざまな種類が用意されている、定番のテストです。

能力検査では、最初に説明したような問題を短時間で数多く解く必要があり、集中力に加えて一定の基礎的な実力が求められます。しかし、最も有名なテストということもあり問題集や教本などが多く出回っているため、受験する側からみると対策がしやすいテストといえます。

玉手箱Ⅲ

SPIの次に採用されることが多いのが玉手箱です。SPIは人気のため対策集が多く出回っており、企業によってはこちらを採用するケースもあります。能力検査の特徴としては比較的簡単な問題を短時間にたくさん解く仕様になっており、応募者の言語能力レベルや論理的思考ができるかなどを客観的に評価しています。また、英語に関する問題が出されることも特徴の一つです。性格検査では応募者が企業や職種とマッチするかを確認できます。

GAB

玉手箱と同じ企業が提供している適性検査であり、多くの場合、新卒採用に用いられます。出題内容が主に長文読解で構成されている点や、形式や内容が独特である点、さらに1問あたりの解答時間が1分未満と短い点から、前述の2つと比べて難しいと感じる人が多いようです。測定結果から言語、計数に関する知的能力に加えてバイタリティ、チームワークなど入社後に職務を遂行するうえで必要になってくるであろう情報が分かることも特徴の一つです。

企業がwebテストを行う際の注意点 

コストカット面や採用フローの効率化で大きく貢献してくれるwebテストですが、webならではの注意点もあります。実地試験と比較してメリットがより大きいほうを選ぶと効率アップ間違いなしです。

導入・運用コストが生じる

自前で問題を作成する場合コストはそれほどかかりませんが外部に頼る場合、導入コスト、導入後のランニングコストがかかります。実地試験と比較し、webテストの恩恵を最大限受けられるように調整することがポイントです。

信頼できるテストを選択する必要がある

外部から導入する場合、テストから判明するデータを活用して採用試験を進めるため、信頼できることが大前提です。SPIのように歴史あるものや玉手箱のように有名なテストを選択するという無難な方法もあります。どうしても信頼性に欠ける場合、思い切って自社で問題を作ることも選択肢に入ってきます。自社で作る手間と外部のテストを選択するデメリットを比較し、許容できる方を選びましょう。

不正対策が必要である

試験官を配置しなくて済むためコストカットできる反面、カンニングなどの不正行為への対策が必要不可欠です。自社社員によるリモート監視や時間制限などで一定の対策は可能ですが、不正を完全に防ぐことは難しいため、そのデメリットを受け入れられるかどうかが判断のポイントとなります。

まとめ:webテストを活用して優秀な人材の採用を目指す!

webテストは標準化された問題で応募者を客観的に評価できる「公平性」、時間や場所を問わず企業と応募者の負担を減らす「柔軟性」、採用プロセスの処理速度を上げる「迅速性」を兼ね備えています。また、webテストからは見えない応募者の側面を見るためには、「社長メシ」サービスの利用がおすすめです。応募者との食事を通じて直接コミュニケーションを図り、テストではみえない候補者の人柄や価値観を深く理解できます。採用活動の質向上のために、webテストや「社長メシ」のようなサービスを併せて取り入れることで、より透明かつ効果的なプロセスを実現しましょう。