適性検査とは?テストの種類や受験形式、おすすめのサービス6選を紹介

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採用活動において、適性検査の重要性が高まっています。

本記事では、適性検査の基本から、性格や能力の具体的な測定内容、適性検査を導入するメリットや適切なサービスの選び方まで、採用担当者に向けて詳しく解説します。

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適性検査とは

適性検査は、企業が新卒者を採用する際に、応募者の能力や性格、適性を評価するために実施するテストです。適性検査には主に「能力検査」と「性格検査」の2つのパターンがあります。

ここでは、性格検査と能力検査の内容や目的を紹介します。企業にマッチした採用者を増やすためにも、特徴を確認しておきましょう。

性格検査

性格検査は、応募者の性格特性を評価するための検査です。性格タイプを判断できるよう設計された質問票で構成されています。応募者が日常生活でどのように考え、行動するかを探るための質問が含まれています。求職者の回答は、統計的な手法によって処理され、応募者の仕事に対する向き・不向きや、職場での行動パターンなどを分析していく流れです。

多くの企業では、新卒採用において「SPI3」がよく導入されていますが、他にも「玉手箱III」「GAB」「CAB」「YG性格検査」など、さまざまな性格検査が存在します。各検査には、それぞれ異なる受検形式や問題の傾向があるため、導入する場合は内容を確認し、より自社の目的にマッチしていて、実施しやすい性格検査を選ぶことが大切です。

能力検査

能力検査の主な目的は、一般的に職種を問わず求められる「知的能力」を測ることです。具体的には、応募者が与えられた課題に対して論理的に考え、目標に向かって効果的に行動できるかどうかを評価します。実際の職場でも求められるこの能力は、単に暗記や短期的な対策によって向上するものではなく、日々の積み重ねや継続的な努力によって培われるものです。

言い換えれば、能力検査は応募者が複雑な情報を整理し、判断し、学び、既存の知識を適用する力でもあり、能力検査ではこの能力を測定します。これらの能力は、企業において業務を遂行するために欠かせないものであり、応募者のポテンシャルを見極めるポイントとなるでしょう。

適性検査で測定できる要素

適性検査は、主に2つの大きな要素を測定するために設計されています。一つは「性格・適性」であり、もう一つは「学力・能力」です。これらの要素は、さまざまな内容と手法を用いて評価され、企業は応募者の適性を総合的に判断する材料とします。

性格・適性

適性検査の中でも、性格や適性に関する部分は、応募者の人間性や考え方の傾向を定量的に測定することを目的としています。例えば、応募者がどのような価値観をもち、対人関係においてどのように行動するかを理解するための質問が用意されており、いくつかの質問によりパーソナリティの特性が浮かび上がっていきます。人間性や考え方に関するデータは、企業が求める人材像と応募者の特性とのマッチングを行う際に役立つでしょう。

学力・能力

学力や能力に関連する検査では、思考力や論理的な判断力、数値処理能力といった基本的なスキルを定量的に測定します。応募者が与えられた問題をどのように解決し、効果的に情報を処理できるかの評価ができます。学力・能力は、実際の業務において必要とされる基礎的な力であり、複雑なタスクに取り組む際にも重要な指標となるでしょう。

適性検査を実施するメリット

適性検査の導入は、企業にさまざまなメリットをもたらします。応募者の特性や能力を客観的に確認できるため、採用活動の質を向上させる効果が期待できるでしょう。ここでは、具体的なメリットを3つ紹介します。

採用ミスマッチを抑制できる

応募者の業務適性や性格を履歴書や職務経歴書、面接だけで判断するのは難しいケースがあります。また、担当者によって評価が異なる場合も考えられるでしょう。適性検査を実施すれば、応募者の特性や潜在能力を可視化し、客観的なデータに基づいた判断ができるようになります。客観的なデータによって採用基準が明確になり、ミスマッチを防ぐ手助けとなるでしょう。また、採用担当者が変わった場合でも、一貫した評価基準をもって採用活動をスムーズに継続できるのも大きなメリットです。

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適切な人員配置や育成に生かせる

社会人としての生活が進む中で、家庭の事情や役職の変化に伴い、従業員の価値観や仕事に対するアプローチが変わることは珍しくありません。ライフスタイルや価値観が変われば業務適性も変化する可能性があります。そのため、適性検査は定期的に実施することが大切です。適性検査によって従業員の業務適性や不足しているスキルを把握し、チーム内でのパフォーマンスを評価できれば、最適な人員配置や育成を実現できます。過去のデータと比較することで、個々の能力の変化を把握し、管理職の適性を判断する材料としても活用できるでしょう。また、ストレス耐性のテストなどを行うことで、メンタルヘルス対策に役立てることも可能です。

候補者同士の比較がしやすくなる

適性検査を実施すると、複数の候補者の特性や能力を一元的に比較できるようになります。応募者のデータが定量的に示されるため、候補者間の差異が把握しやすくなるでしょう。比較によって面接や履歴書では見えにくい部分を補完できるため、企業が求める人材像に最も適した応募者を選定する際に役立つでしょう。複数の候補者を一度に比較することで、優先順位を付けやすく、効果的な採用戦略を構築できるため、より戦略的な人材確保が可能です。

適性検査の受検方式

適性検査は、応募者の特性や能力を評価するために、さまざまな受検方式が用意されています。それぞれの方式には独自のメリットがあり、企業や応募者のニーズに応じて選ばれます。ここでは、一般的な受検方式について見ていきましょう。

WEB受験

WEB受験は、自宅や大学のパソコンを利用して、インターネット上で適性検査を受ける方法です。指定された期間内であれば、場所や時間に縛られずに自由に受検できる点がメリットです。応募者は自分のペースで受験できるため、リラックスした状態で取り組めて、ストレス軽減が期待できます。

紙受験

紙受験は、紙に印刷された適性検査に回答する伝統的な方法です。一般的には、応募先の企業が指定した会場で受検する形式が多い傾向です。ペーパーテストは、マークシート形式で行われるのが一般的で、自由回答がないため、回答が明確で統一されています。また、ペーパーテストでは全員が同じ問題を解くため、受験者同士の比較がしやすい特徴があります。受検の際には、開始直後に全体の問題を把握できるため、受験者は自分が解きやすい問題から着手でき、効率的に時間を使うことが可能です。

テストセンター受験

テストセンター受験は、専用の試験会場で行われる適性検査の形式です。応募者は指定された期間内に、会場と時間を予約し、会場内のパソコンを使用してテストに取り組みます。日本全国には、東京や大阪、名古屋、札幌、仙台、広島、福岡の7つの常設会場があり、選考が活発に行われる繁忙期には臨時の試験会場も設けられることがあります。テストセンターでの受験は、どの会場を利用しても問題なく、応募者の利便性が高いのが特徴です。多くの企業が採用しており、応募者にとってもアクセスが容易なことから広く利用されています。

適性検査実施のタイミング

適性検査の実施タイミングは、採用選考において大切なポイントです。どの段階で適性検査を行うかによって、その結果の活用方法や選考の効率性が大きく変わります。ここでは、適性検査を実施する際の主なタイミングを紹介します。

書類選考後

適性検査を「足切り」の手段として活用したい場合、書類選考後に実施するのが効果的です。早い段階で適性検査を行えば、明らかに自社の求める人材に適合しない候補者を早期に特定でき、その後の選考プロセスでの工数を削減することが可能です。また、実施した適性検査の結果を面接の参考資料として活用すれば、より深い評価を行えるようになるでしょう。ただし、求職者の数が多い場合には、検査への受検人数も増加し、その分費用負担が大きくなる点には注意が必要です。

最終面接前

適性検査の結果を「最終判断の材料」として利用したい場合、最終面接の前に行うのが適しています。このタイミングで実施することにより、最終選考に向けた評価材料を確保できます。工数の削減にはつながりませんが、適性検査にかかる費用を最小限に抑えつつ、応募者の特性を把握できるため、最終的な判断に役立てられるでしょう。

内定後

内定後に適性検査実施は、入社後の配属先や担当業務を決定するための重要な判断材料となります。このタイミングでは、応募者の即戦力となる程度や、どのくらいの教育が必要かを見極めることが可能です。入社後の業務適性を考慮した上で、最適な配置を行う際に役立つ情報を得られるため、企業にとっても大きなメリットがあるといえます。内定後の適性検査は、候補者の潜在能力を最大限に活かすための重要なステップとも考えられます。

適性検査サービスの選び方

適性検査サービスを選ぶ際は、企業のニーズに合ったものを選定することが大切です。多様なサービスが提供されている中、どの適性検査が最も効果的であるかを見極めるためには、いくつかのポイントをチェックする必要があります。

費用

適性検査の料金体系は、一般的に受検者の人数に基づいた従量課金制が多い傾向です。サービスを選ぶ際には、企業の規模や予算に適合しているかを確認しましょう。適性検査を頻繁に活用しない場合、高額な検査費用が無駄になるリスクもあります。適性検査の単価は、受検者一人あたり数百円~5,000円ほどと幅広いため、単純に費用だけで判断するのではなく、検査の内容と比較し、費用対効果を考慮した選定を行いましょう。

実施方式と所要時間

適性検査には、主にWeb受検と紙受検の2通りがあります。また、自社内での受検と、テストセンターなどの外部会場での受検といった実施場所においても違いがあります。それぞれの方式には、実施する目的や受験人数、所要時間、自社の工数やコストに応じたメリットとデメリットが存在するため、自社の条件に適した方式を選ぶことが大切です。受検者の利便性や業務効率も考えながら、適切な実施方式を選択しましょう。

検査内容

適性検査が測定できる内容や科目は、サービスによって異なるため、「何を測りたいのか」「どのような人材を求めているのか」を明確にした上で選ぶ必要があります。計算能力や論理的思考を測るテスト、さらには性格を評価するためのパーソナリティ検査など、種類は多岐にわたります。応募者の人材適性を見極めることが目的であれば、自社のニーズや条件に合致する検査項目が用意されているかを確認することが大切です。自社に合った適性検査を選定することで、より効果的な採用活動につながるでしょう。

おすすめの適性検査サービス6選

適性検査を導入する際には、多くのサービスがある中から自社にあったものを選ぶことが効果的な採用選考につながります。ここでは、SPI3、Compass(コンパス)、CUBIC(キュービック)、ミイダス、ミキワメ、アッテルの6つの適性検査サービスについて、その特徴や費用を比較します。

運営元サービス名測定項目特徴費用
株式会社リクルートマネジメントソリューションズSPI3・性格特性・職務適性・基礎能力・導入企業数No.1の実績あり・採用候補者向けと従業員向けの2種類のサービスから選択可能・性格検査+能力検査4,000円/人~
株式会社イングCompass・性格特性・ストレス耐性・職務適性・対人関係スタイル・行動予測・基礎能力・抑うつやストレス耐性を含む「採用有望度」の判定が可能・リーズナブルな価格設定・性格検査2,000円/人(100名未満)1,000円/人(100名以上)・能力検査1科目250円/人(100名未満)1科目125円/人(100名以上)
株式会社CUBICCUBIC・性格特性・基礎能力・カルチャーフィット・職種適性・替え玉防止機能を備えた能力検査・中途・新卒採用に対応し、英語を含む複数言語対応済み・性格検査2,000円/人・能力検査1,500円/人
ミイダス株式会社ミイダス・性格特性・ストレス要因・マネジメント資質・志向、仕事観・活躍要因・採用候補者の検査受験費用は無料・適性検査結果を活用したターゲットへのアプローチが可能(有料)受験無料
株式会社リーディングマークミキワメ・性格特性・類似従業員・部署別適性・社風適性・会社や部署単位での相性の可視化可能・従業員の受験費用が無料従業員受験無料、候補者500円/人+初期導入費 36万円~/年
株式会社アッテルアッテル・性格特性・基礎能力・類似従業員・資質タイプ・ストレス耐性・意思決定スタイル・業界唯一の定額制・離職率低減や配置転換にも役立つ受験無料+システム利用料スタンダードプラン基本料金 1万円/月~プロプラン基本料金 5万円/月~

各サービスには、測定できる項目や目的に応じた特徴があります。各サービスが提供する情報が自社のニーズに合致しているかを確認して導入することが大切です。

参考:みんなの採用部 

適性検査を実施する際の注意点 

適性検査を導入する際は、実施方法や内容における注意点を把握しましょう。ここでは、効果的な適性検査を実施するために知っておきたい注意点を紹介します。

信頼性のある適性検査を選定する必要がある

適性検査を導入する際には、その信頼性をしっかりと確認する必要があります。選択肢が多く存在する中で、どの検査が最も適しているのかを判断するのは簡単ではありません。信頼できる検査を選ぶためには、過去の実績や評価をチェックすることが大切です。どの企業がその検査を導入しているのか、どれほどの受験者がその検査を受けているのかなどの情報を確認するとよいでしょう。また、受験者からのフィードバックや、専門機関からの評価も参考にすることで、適性検査の質や信頼性をより具体的に把握できます。

不正行為への対策が必要 

適性検査を実施する際、不正行為への対策が欠かせません。例えば、替え玉受験やカンニングなどの不正行為対策が必要です。不正受験を防ぐための手段として、WEB受験の場合、一時中断された場合に同じ問題を再度出題しない仕組みを取り入れることで、受験者が他のリソースを利用して回答を調べる行為を防げます。

また、オンライン監督の導入や、WEBカメラによる本人確認の実施、リアルタイムでの不正行為の監視なども不正対策の一つです。対策を実施すれば候補者が適切な環境で適性検査を受けられ、より真実に近い評価を行えるようになるでしょう。

候補者に負担がかかり過ぎないように配慮する 

適性検査を行う際には、候補者に過度の負担がかからないように十分配慮しましょう。テストが長時間にわたる、質問が複雑などの場合、受験者にストレスを与え、結果として実力を十分に発揮できない可能性があります。テストの所要時間や形式について考慮し、候補者がリラックスして受検できる環境を整えることが大切です。

適性検査の結果をさらに生かすには

ここでは、適性検査の結果をさらに生かすためのポイントを2つ紹介します。

複数の評価基準と組み合わせる

適性検査の結果を活用する際には、他の評価基準と組み合わせてみましょう。例えば、面接や業務体験、グループディスカッションなど、さまざまな評価手法を導入することで、候補者の能力や人柄を多角的に分析できます。適性検査は、特定のスキルや特性を測定するための一つのツールであり、単独での結果だけでは全体像を把握するのが難しい傾向です。そのため、他の評価方法と合わせることで、候補者の実際の職務遂行能力やチームとの適合性を正確に評価できるようになります。

AIを活用する

AIを活用した適性検査は、従来の手法を革新し、多くの企業で採用プロセスを飛躍的に向上させる可能性を秘めています。AIの高度なデータ分析能力を用いれば、応募者の適性をより詳細に評価し、採用のミスマッチ減少が実現できるでしょう。AIが応募者の回答パターンを解析すれば、より洗練されたフィードバックを提供でき、迅速かつ公正な評価ができるようになります。

まとめ:適性検査を活用して、優秀な人材を採用する

適性検査は、応募者の能力や性格を把握し、採用活動の精度を高めるために欠かせない検査です。性格や能力の両面から適性を判断し、ミスマッチを減らしつつ最適な人材の配置や育成にも役立ちます。企業にとって最も適したサービスを見極め、適性検査の導入で戦略的な採用活動を進めましょう。

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