求人を出しても応募が集まらない原因は、景気や人手不足だけではありません。厚生労働省の調査によると、2024年平均の有効求人倍率は1.25倍。求職者1人に対して複数の求人が存在する「売り手市場」が続いています。
この状況下で選ばれる企業になるためには、求人情報や発信の量や質の見直しが欠かせません。求人を「見てもらう」チャンスは十分にありますが、問題は見てもらった後に応募へつなげられるかどうかです。では、求人募集してもらうためにはどうしたら良いのでしょうか。
本記事では、求人に応募がこない6つの原因と、具体的な7つの改善策を解説します。自社の求人を見直す際のチェックポイントとして参考にしてください。
求人に応募がこない6つの原因

求人に応募が集まらない理由は、求職者の意欲や採用市場の問題だけではありません。多くの場合、求人情報の「伝え方」や「届け方」に改善の余地があります。主な原因は以下の6つです。詳しく見ていきましょう。
- 仕事内容の記載が抽象的で伝わりにくい
- 応募条件が厳しすぎる
- 条件待遇が競合他社に劣っている
- 自社に合った採用手法を利用できていない
- 自社の魅力や特徴の発信不足
- 採用市場の理解不足
仕事内容の記載が抽象的で伝わりにくい
求職者が最も知りたいのは「入社後、自分がどんな仕事をするのか」です。しかし多くの求人では、職種名と大まかな業務内容だけが記載されており、具体的なイメージを持てない状態になっています。
伝わりにくい例
「営業職(法人向け)経験者歓迎」
伝わりやすい例
「既存顧客への定期訪問がメイン(新規開拓は1日1〜2件程度)。見積書の作成から納品まで一貫して担当します。5名のチームで月間目標を追う体制です。」
このように「誰に・何を・どのように」を明確にすることで、求職者は自分に合う仕事かどうかを判断できます。判断材料がなければ、応募には至りません。
応募条件が厳しすぎる
一般的に、多くの求職者は、必須条件をすべて満たしていないと応募できないと考える傾向があります。つまり、必須条件を多く設定するほど、応募のハードルは高くなります。
特に問題となるのが、「あれば望ましい」程度のスキルを必須条件に含めてしまうケースです。本来応募してほしい層まで「自分には無理だ」と判断させてしまいます。
必須条件は本当に業務上不可欠なものに絞り、それ以外は「歓迎条件」として明確に分けましょう。「入社後に習得可能」と明記することで、ポテンシャル層からの応募も期待できます。
条件待遇が競合他社に劣っている
給与水準や休日数は、求職者が応募先を比較検討する際の重要な判断材料です。同じ職種・エリアの競合他社と比較して明らかに見劣りする場合、選択肢から外されてしまいます。
厚生労働省や転職サイトの年収データを参考に、自社の条件が市場相場から大きく乖離していないか確認しましょう。
給与を上げることが難しい場合は、リモートワークやフレックスなどの柔軟な働き方や独自の福利厚生でカバーする方法もあります。単に条件を並べるだけでなく、その制度を導入した背景や、実際の活用状況を伝えることで、働きやすさのイメージを持たせましょう。
自社に合った採用手法を利用できていない
採用手法は多様化しており、求人サイト、ダイレクトリクルーティング、人材紹介、SNS採用など、さまざまな選択肢があります。しかし「有名だから」「他社も使っているから」という理由だけで媒体を選んでいては、ターゲットに届きません。
各媒体には得意とする業種・職種・年齢層があります。たとえば、ITエンジニアを採用したいのに一般的な求人サイトだけを利用していたり、地域密着の採用を目指しているのに全国型の媒体だけを使っていたりするケースでは、効果が出にくくなります。
ターゲットとする人材が「どこで仕事を探しているのか」を把握し、適切な媒体を選定しましょう。複数の媒体を組み合わせることで、接点を広げることも有効です。
自社の魅力や特徴の発信不足
求人サイトの一覧画面で自社の求人が埋もれてしまう原因の一つが、魅力の発信不足です。平凡なタイトルでは目に留まらず、内容を読んでもらう前に離脱されてしまいます。
また、求人情報だけでなく、採用サイトや企業ホームページ、SNSでの情報発信も重要です。求職者は応募前に企業名で検索し、どんな会社なのかを調べます。このとき、ホームページが古かったり、採用に関する情報がなかったりすると、不安を感じて離脱してしまうでしょう。
キャリアパスの提示、社員インタビュー、職場の雰囲気がわかる写真や動画など、求職者が「この会社で働きたい」と思える情報を積極的に発信することが求められます。
採用市場の理解不足
冒頭でも触れたとおり、現在の採用市場は「売り手市場」が続いています。求職者は複数の選択肢の中から応募先を選ぶ立場にあり、企業側は「選ばれる努力」が必要です。
競合他社がどのような条件で、どのような打ち出し方をしているのかを把握していなければ、自社の立ち位置を見誤ってしまいます。「これくらいの条件なら応募があるだろう」という感覚だけで求人を作成していると、市場とのズレが生じます。
定期的に同業他社の求人をチェックし、自社の強みと弱みを客観的に把握しましょう。その上で、差別化できるポイントを明確に打ち出すことが重要です。

求人への応募を増やす7つの改善策

ここからは、応募数を増やすための具体的な改善策を解説します。原因に対応した対策を講じることで、着実に成果につなげることができます。ここでは以下の7つについて見ていきましょう。
- 採用ターゲットや自社の強みを明確化する
- ターゲット目線で募集要項を書き直す
- 応募条件を適切なレベルへ見直す
- 給与・待遇を市場相場に合わせる
- 採用サイト・ホームページを整備する
- 求人情報を定期的に更新する
- 自社に適した採用手法を活用する
採用ターゲットや自社の強みを明確化する
改善の第一歩は、「誰に来てほしいのか」「自社の何が魅力なのか」を明確にすることです。ターゲットが曖昧なままでは、募集要項の内容も訴求ポイントもぼやけてしまいます。
また自社の強みは、現役社員へのヒアリングで見つけることができます。「入社の決め手は何だったか」「働いていて良いと感じる点は何か」を聞くことで、求職者に響くポイントが明らかになります。
ターゲットと強みが定まれば、求人全体の表現に一貫性が生まれ、「自分に向けた求人だ」と感じてもらえるようになります。
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ターゲット目線で募集要項を書き直す
募集要項は企業目線ではなく、ターゲット目線で書き直しましょう。企業側の都合だけを並べても、求職者は魅力を感じません。
求職者が応募前に抱く不安や疑問を洗い出し、それに先回りして答える構成を意識しましょう。仕事内容や条件を具体化し、働く姿が想像できる内容に変えると、応募への心理的ハードルが下がるはずです。
具体的な情報を記載する
5W1Hを意識し、業務内容を具体的に記載しましょう。
悪い例
事務職募集。未経験OK。
良い例
【仕事内容】 ・請求書の作成・発行(月末に集中、1日約20件) ・電話対応(1日10〜15件程度) ・来客対応・備品管理
【1日の流れ】 9:00 出社・メールチェック → 10:00 請求書作成 → 12:00 昼休憩 13:00 電話対応・来客対応 → 17:00 翌日の準備 → 18:00 退社
具体的な数字と1日の流れを示すことで、求職者は「自分にもできそう」と判断しやすくなります。写真や動画を活用すれば、さらにイメージを膨らませることができます。
自社の魅力や強みを記載
競合他社の求人を分析したうえで、自社ならではの魅力を明確に打ち出しましょう。
魅力の伝え方の例
- 定着率:「入社3年以内の離職率10%以下」など数値で示す
- 成長機会:「入社2年目で管理職に昇進した社員も」など実例で示す
- 働き方:「リモートワーク週2日OK」「有給消化率80%」など具体的に示す
求人タイトルも重要です。「事務職募集」ではなく、「年間休日125日・残業月10h以下の事務職」のように、求職者の目を引くポイントを盛り込みましょう。
応募条件を適切なレベルへ見直す
応募条件が厳しすぎると、対象となる求職者が極端に減少します。以下のポイントで見直しを行いましょう。
- 必須条件は3つ以内に絞る
- 「歓迎条件」と明確に分ける
- 「入社後に身につく」要素は必須から外す
- 「〇〇の経験があれば尚可」など、柔軟な表現を使う
経験やスキルだけでなく、意欲や成長性を重視する「ポテンシャル採用」の視点も取り入れることで、母集団を広げることができます。
給与・待遇を市場相場に合わせる
給与や待遇が市場相場から大きく外れていると、比較検討の段階で除外されてしまいます。
相場確認の方法
- 同業他社の求人情報を3〜5社比較する
- 転職サイトの年収データを参照する
- 厚生労働省の賃金構造基本統計調査を確認する
給与の引き上げが難しい場合は、柔軟な働き方や独自の福利厚生でカバーする方法もあります。リモートワーク制度、時短勤務、資格取得支援など、求職者にとっての「働きやすさ」を総合的にアピールしましょう。
採用サイト・ホームページを整備する
求職者は応募前に企業名で検索し、情報収集を行います。採用専用ページが整備されていれば、求職者は必要な情報に迷わずたどり着けます。
掲載したい情報
- 事業内容・企業理念
- 働き方・1日の流れ
- 社員インタビュー(入社理由、仕事のやりがいなど)
- オフィスや職場の写真
- 募集要項へのリンク
作成して終わりではなく、定期的な更新も重要です。最終更新が数年前のままだと、「この会社は大丈夫だろうか」と不安を与えてしまいます。
求人情報を定期的に更新する
求人情報は鮮度が重要です。掲載から時間が経った求人は、検索結果で埋もれやすくなるだけでなく、「ずっと募集している=人が定着しない会社」という印象を与えかねません。
また、掲載時期も応募数に影響します。一般的に、3〜4月と9〜10月は転職活動が活発になる時期です。逆に、年末年始やゴールデンウィーク前後は動きが鈍くなる傾向があります。
応募が少ない時期は、無理に掲載を続けるよりも、求人内容のブラッシュアップや採用サイトの整備など、準備期間として活用するのがおすすめです。
自社に適した採用手法を活用する
求人サイトへの掲載だけでなく、複数の採用手法を組み合わせることで、接点を広げることができます。
主な採用手法
- 求人検索エンジン(Indeed、求人ボックスなど):幅広い層にリーチ可能
- ダイレクトリクルーティング:スカウト型で能動的にアプローチ
- SNS採用:企業のカルチャーや雰囲気を発信
- リファラル採用:社員の紹介でマッチング精度向上
どの手法が自社に合っているかは、ターゲット層や採用予算、社内リソースによって異なります。一つの手法に依存せず、効果検証しながら最適な組み合わせを見つけていきましょう。

求人応募がこないとお悩みなら「社長メシ」で解決!

ここまで解説した改善策に加え、近年注目を集めているのが「体験型の採用手法」です。
求人票や採用サイトだけでは、企業の雰囲気や経営者の人柄を十分に伝えることは難しいものです。特に中小企業やスタートアップでは、「知名度がないから応募が来ない」という悩みを抱えるケースも少なくありません。
そこでおすすめしたいのが「社長メシ」です。経営者と求職者が食事を通じて直接語り合う場を提供するマッチングサービスで、以下のような特徴があります。
- 求人票では伝わりにくい企業の価値観や雰囲気を直接届けられる
- 理念や想いに共感した人材と出会えるため、ミスマッチを防げる
- 意欲の高い求職者からの応募につながりやすい
従来の求人手法と組み合わせて活用することで、応募数だけでなく「質」の向上も期待できます。採用に課題を感じている企業は、選択肢の一つとしてぜひ検討してみてください。

求人への応募に関するよくある質問
求人への応募が集まらないと、多くの企業が疑問や不安を抱えます。ここでは、たくさんの質問の中から、特に多い内容とその回答を紹介します。求人がこないとお悩みの人はぜひ参考にしてください。
知名度が低くても応募を集めることはできますか?
知名度が低くても、応募を集める採用は十分可能です。重要なのは、企業名ではなく中身が伝わっているかどうかです。仕事内容や想いを具体的に発信すると、条件だけで比較しない求職者と出会えるでしょう。
求人の閲覧数はあるのに応募がこない理由は?
閲覧数があるのに応募がこない場合、情報の伝え方に課題があるかもしれません。例えば、条件や仕事内容が抽象的だと、不安が残ります。そのため、働く姿が想像できる内容に変えると、検討段階から応募段階へ進みやすくなるでしょう。
応募数が少なくても採用できていれば問題ないですか?
一時的に採用できていても、応募数が少ない状態はリスクが付きまといます。例えば、選択肢が限られると、条件を下げた採用に傾倒してしまいます。そのため、将来の採用安定を見据え、一定の母集団形成を意識しましょう。
まとめ
求人への応募を増やすには、条件や待遇を整えるだけでは不十分です。なぜなら、求職者はどのような人と、どのような想いで働くのかを重視しているためです。そのため、企業の魅力や価値観を直接伝える採用手法を心がけましょう。
「社長メシ」では、採用サービスでありながら経営者と求職者が食事を通じて本音で語り合える場を提供しています。求人票や採用サイトでは伝えきれない人柄や雰囲気を届けられるため、共感を軸にした出会いが生まれるのです。その結果、応募数の増加だけでなく、ミスマッチの少ない採用にもつながります。採用に悩む企業様は、ぜひ社長メシを活用し、関係性から始まる採用を行ってみてください。



