なぜ地方は採用活動が難しいのか
地方の採用活動は、都市部に比べて難しいといわれています。実際に採用担当者の中にも、なかなか応募がなく、人材を確保できないと頭を抱えている方もいるでしょう。まずは、地方企業における、採用課題が発生する背景について解説します。
理由1：地方における労働人口の減少が顕著
現在の日本は、少子高齢化問題を抱えています。その煽りを受けて地方では、人口の減少が著しく、労働力も急激に減少しているのです。
国土交通省の「地方における人口・労働力の変化」によると、2000～2025年にかけて、地方の労働力人口は2割以上のマイナスになると予想されています。これが、2000～2050年の範囲だと4割以上のマイナスになると予想されているのです。
出典：「地方における人口・労働力の変化」（国土交通省）
少子高齢化問題からの人口の減少は、全国的に見ても減少しています。しかし、中枢・中核都市1時間圏外の地方になるとその傾向は顕著です。
労働力人口の減少が続いている背景として、地方の労働力となる若者が都市部へ多く流出していることが挙げられます。
国土交通省が行った調査によると「東京圏流入者が移住することを選択した背景となった地元の事情」としてもっとも多い回答が、「希望する職種の仕事が見つからないこと」、次いで「賃金等の待遇が良い仕事が見つからないこと」です。
出典：「市民向け国際アンケート調査結果－企業等の東京一極集中に関する懇談会」（国土交通省）
このような背景から、地方では採用ターゲットそのものが減少し続けています。
理由2：依然として続く売り手市場
2008年のリーマンショックで一度落ち込んでいた有効求人倍率が、近年上昇を続けています。2020年に発生した新型コロナウイルス感染症拡大の影響もあり、また一旦落ち込みましたが、現在は回復傾向です。
有効求人倍率とは、就職を希望している人に対して求人数が多い「売り手市場」の目安となります。
2022年5月どの一般職業紹介状況によると、有効求人倍率は1.4倍を保っており、依然として売り手市場が続いている状況です。このような背景から、企業の採用活動の難易度が増しているといえます。
出典：「一般職業紹介状況（令和4年5月分）について」（厚生労働省）
理由3：学生の安定志向が強まっている
マイナビが実施した、学生に対するアンケート調査によると、企業選択の理由として「安定している」を選ぶ人がもっとも多いという結果となっています。
2020年卒のアンケート調査から安定志向の学生が多く、2022年卒の学生に対するアンケート調査では、安定から企業を選ぶ人が42.8％という数値を叩き出しました。
出典：「2022年卒大学生就職意識調査」（マイナビ）
学生が安定を指標に企業を選ぶようになった背景には、2020年の新型コロナウイルス感染症拡大の影響も大きいと予想されます。
安定志向の学生は、認知度が高い大手企業や有名企業などに応募する傾向があります。それらの企業の多くは東京などの首都圏に集中しているため、認知度が低い地方企業の新卒採用の難易度が上がっているのが現状です。
地方企業が抱えがちな採用課題
地方の企業が抱える採用課題は、大きく分けて4つあると考えられます。自社の採用課題と照らし合わせながら見ていきましょう。
自社についてのアピールができていない
求人サイトに掲載しているだけでは、他社の求人に埋もれてしまい応募してもらえません。応募者を増やすためには、いかに自社をアピールして目立つかがポイントとなります。
求人サイトに掲載しているのに、応募がなかなか集まらない場合は、自社のアピール不足かもしれません。
売り手市場だからこそ、求職者に選ばれる企業になる必要があります。自社が他社と比較して優れている点や魅力を今一度掘り下げて考えることが大切です。
都市部の企業に比べて認知度が低く応募が少ない
都市部にある有名企業や大企業に比べ、地方企業は採用ターゲットに対する認知度が低いことがほとんどです。求人を出しても、ほかの企業に埋もれてしまい、応募数そのものが少なくなってしまいます。
そのため、求人サイトの掲載だけではなく、採用オウンドメディアを運営したり、SNSで情報発信をしたりして、企業の認知度を広める必要があります。
求める人材像が不明確
自社の欲しい人材が応募してこないという課題がある場合は、自社がどのような人を採用したいのかが不明瞭なことが多いです。
「なんとなくこんな人材が欲しいな」と大雑把に考えていると、求める人材像も曖昧になってしまい、求人を出しても欲しい人材ではない人が募集してきてしまいます。
まずは、業務ごとに必須となるスキルや経験などを細かく洗い出し、求める人材像をはっきりさせましょう。ターゲットが明確になれば、綿密な採用計画が立てられます。
転職潜在層にアプローチできていない
中途採用を募集している場合は、まさに今転職活動を行っている人のみをターゲットにして求人することが多いです。
これでは、「今すぐ転職は考えていないけれど良い条件があれば検討したい」という、転職潜在層へのアプローチができません。転職潜在層も視野に入れてアプローチすれば、採用の幅を広げられます。
地方企業の場合だと、将来的に地方への移住を考えている潜在層にもアプローチしていけば、着実に採用の母数を増やしていくことができるでしょう。
地方でも採用活動を成功させるポイント
採用活動が難しいといわれている地方でも、ポイントさえ押さえれば採用に困ることはありません。ここからは、採用活動を成功に導くポイントを4つに分けて紹介します。
地方や自社独自のメリットをアピールする
地方には中途採用だけでなく新卒採用でも、Uターン・Iターンを希望する人材は一定数存在します。
地方で働いてみたいけれど、情報が足りず応募に至らないケースも多いため、潜在的な求職者にもしっかりと訴求できるコンテンツを準備しましょう。
採用オウンドメディアなどを用意して、実際に働いているイメージを持ってもらえるようなコンテンツを発信するのがおすすめです。
また、地方ならではの魅力や地方で働くことのメリットをしっかりと伝え、安心して働ける企業であることを理解してもらえれば、有名企業でなくとも採用活動は成功するでしょう。
採用したい人材像を明確にする
採用したい人材像をはっきりさせておくことも、採用活動を成功させるために必須の項目です。
欲しいスキルだけでなく、住んでいる場所や年齢、性別まで細かく人材像を具体化することで、効果的な求人での訴求ができるようになります。
地元で転職活動をしている人だけでなく、Uターン・Iターンの希望者や、転職潜在層などにも視野を広げて人材像を仮定することで、採用の幅を広げられます。
ターゲットに合わせた採用手法をとる
現状の採用活動で上手くいっていない場合は、同じ採用手法を続けても意味がありません。このまま同じ手法を続けても、永遠とミスマッチは起き、採用が成功することは難しいでしょう。
採用した人材像さえ明確になっていれば、そのターゲットに合わせた採用活動に変えるべきです。ターゲットに合った採用活動に変えて、確実に欲しい人材に自社の魅力をアプローチしましょう。
オンラインを活用した採用活動を行う
地方企業が採用活動を行う上で、距離は大きなハンデとなってしまいます。自社と居住地の距離が離れている場合は、説明会や面接に行くのにも時間や交通費がかかるため断念してしまう人も多いのです。
UターンやIターン採用も見込む場合は、このようなハンデを埋めるため、オンライン説明会やオンラインでの面接の実施などインターネットを活用してみましょう。
また、面接や説明会以外にも、SNSを利用して自社に関する質問に答えるのも効果的です。生配信などを行えば、リアルタイムで質問や就職に関する相談を受けながら自社の魅力を伝えることもできます。
地方企業にこそおすすめしたい採用手法「ダイレクトリクルーティング」
地方企業が採用活動をするなら、ダイレクトリクルーティングがおすすめです。これまでダイレクトリクルーティングを取り入れてこなかったなら、ぜひ参考にしてみてください。
ダイレクトリクルーティングとは？
ダイレクトリクルーティングは、求人に応募が来るのを待つのではなく、自社から欲しい人材に直接オファーをかけることです。
企業側から人材へ直接アプローチして魅力をアピールするダイレクトリクルーティングは、知名度が低い地方企業だからこそ試してほしい採用手法といえます。
オファーしてから採用過程でしっかりと個人を掘り下げるので、採用後のミスマッチを防ぐことも可能です。
ダイレクトリクルーティングをするなら「社長メシ」がおすすめ！
ダイレクトリクルーティングを取り入れてみたいと思ったら、ぜひ社長メシをご利用ください。
社長メシは、企業から求職者へオファーするだけでなく、求職者から企業へオファーも届く採用マッチングアプリです。 オファー機能では、自社がオファーを届けたい人材に絞ってアプローチできます。
現在、利用企業の多くは東京にオフィスを構えており、地方企業が少ないです。しかし、登録している会員の20％は地方学生と、地方を盛り上げたいというパッションを持っている方が多いため、優秀な地方学生の採用を実現できます。
会社説明会などに学生が集まらない場合も、社長メシは大活躍します。社長メシを使った食事会がフックになって学生が集まりやすくなり、対面でじっくり話を聞く機会の増加も見込めます。
地方企業ならではの魅力をアピールすることで、自社のマッチした人材を見つける確率が高くなります。
地方企業の採用を成功させたいなら、ぜひ社長メシをご検討ください。
まとめ
労働力となる若者の減少から、地方の採用活動は厳しいものとなっています。しかし、自社の強みや魅力をしっかりと訴求すれば、地方企業でも優秀な人材を獲得できるのです。
これまでの採用活動で上手くいかなかった場合は、ダイレクトリクルーティングをぜひ活用してください。
